ギャンブル依存症と人間関係の不器用さの因果関係はあるのか?【ギャンブル依存症体験記 第21話】

https://ganbulingaddiction.com/2021/08/20/story21/(新しいタブで開く)依存症体験記

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【前回の内容はこちら↓】

復職した私は、職場で悶々としたながら働いた。

片時もパチンコ・パチスロのことが忘れられなかったのだ。常に腰が浮いている状態といっても過言ではない。何か理由を付けてその場を放棄し、パチンコ屋に行きたいとさえ思っていた。

あいにく、外回りの仕事ではなかったので、仕事中のギャンブルはやらないで済んだが、仕事が終わると、僅かな手持ちの金で5円スロットをやりにパチンコ屋に行くこともあった。

職場では、休職した人間ということで社内の人間の態度が変わり、決して役職が上がらない人間として、あからさまに横柄な態度で接してくる人間もいて、そんな人間模様に辟易とした気分を抱いていた。

上司もまた私を事細かく管理したがり、前の部署の所属長からあることないこと情報を吹き込まれたようで、大したコミュニケーションもとっていないのに、先入観の物差しで私を評価していった。

もともと、役職への執着がない私としては、後輩に役職を抜かれようが、自分が行った仕事に対して上司がどう評価しようがその辺は問題ではなかった。

誰かが喜んでくれていたり、分かってくれる人がいればそれで良いと思っていたのだ。

だが、そういった姿勢は、上の人間からすると「可愛げがない」という印象を強くするようで、お世辞を言ったり、上司の機嫌を取ろうと配慮をしない、極めて人間関係の構築が不器用な私は、人間関係に疲れていった。

復職をしたは良いが根本的な解決がされていない状態で上手くいくはずもなかった。

著しくモチベーションを失った状態は好転せず、徐々に仕事を休むようになっていったのだ。

生活のため、家族のため、それだけで働いていた。働く理由として、それだけでも十分な理由だと思うが、ギャンブル依存症という病気は、生活も家族も放棄させてしまう程、深刻な病気なのだ。

そして、仕事を放棄してギャンブルのみの生活を一度でも味わってしまうと、まともに社会人として働く事は困難とさえ思える。それは、同じような道を辿るギャンブル依存症者を多く見てきた今だから言える事でもある。

結局、数ヶ月後、再び休職に追い込まれた。

出勤日数が足りないという理由である。

上司から失望の眼差しで休職を言い渡された時、私は悔しさや情けなさも勿論あったが、それよりも大きく胸に去来したのが、「またパチンコ・パチスロを思う存分やれる」という、最低最悪などうしょもない感情だったのだ。それを想像しただけで脳が快楽の状態になるようだった。

その頃、結婚してから子供ができなかった我が家であったが、妻が不妊治療を受けたいとのことで、
そのことも平行して進めた。

子供ができれば私が変わるのではないかという、妻の切実な願いもあったのだと思う。


またしても休職した私だったが、今度は少しばかりパチンコやパチスロの勉強をした事もあり、少ない資金で考えながらパチンコ・パチスロに向き合おうと思っていた。

つまり、ハイエナやゾーン狙いをするようになった。パチンコについては、全ての釘が見分けられない為、やらないように我慢をした。だが、パチンコ屋に行き、打てない台がなかったら我慢して待機をしたり店を移動するという事が出来なかったため、朝一は設定狙いでパチスロを打つというパターンであった。

なぜ、期待値がない台を打つのかと聞かれれば、もはや病気だからとしか答えようがないわけである。

最初にはまったのは、パチスロの「モンスターハンター」だった。

近所に大きなパチンコ屋がグランドオープンして、毎日のようにパチンコ・パチスロは出玉が付いていた。

ここから一年間、私はこの店に通い、夢のような毎日を過ごすことになる…

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