その頃は、私もまだ若くて体力があったので、仕事終わりから閉店の23:00まで店にいることもありました。
どんなに、その日に嫌なことがあっても、不思議とその空間にいることで嫌なことは忘れられました。
だが、パチンコ・スロットで負けてお金を失い、体力の限界まで打ち続け疲れてタクシーで帰ることも増えて、徐々にお金もなくなり、月々の収入だけではやっていけなくなっていったのです。
実家へ6万円は入れ続けていましたが、ついには、冬の賞与も溶けて、学生時代に作った消費者金融ローンのカードを手にし、消費者金融へ足を運びました。
以前、お世話になった消費者金融では学生時代に完済を済ませていたので、久しぶりの入店でした。
店舗に入り融資を受けたい旨を伝えると、
学生時代に作ったカードなので社会人として審査をやり直しますね♪
と言われ、私は書類に必要事項を書き込みました。
30分もかからなかったと記憶してます。
私の現在の融資枠は100万あるという事でした。
それを聞くと、頭が溶けるような感覚に見舞われました。社会人になるとそんなにも借金できるのか!と。
※その思考自体が正常ではないのですが…
私はその場で躊躇なく10万を借りました。
そして、その10万は数日でなくなりました。10万を使っている時の感覚はおかしなもので、
自分のものであるような、他人の物であるような…、考えている事は、
「後、90万円は借りられる」
という、異常なものでした。
給料の中から10万円をパチンコとタクシー代金に使い、なおかつ借金をしてまでパチンコを打っていたのです。
食事代などには金額を気にするのに、パチンコとタクシーには躊躇なく使っていたのですから、もはや金銭感覚が狂っていたことが分かります。
社会人二年目。
職場での異動はなく環境は変わりませんでした。変わった事と言えば、それまで新社会人として始業1時間前に出勤して、
職場の清掃を一人でやっていたのですが、後輩が入ってきたことによって朝の出勤も乱れるようになったことです。
その頃には、借金が50万になり、常に頭の中は借金のことだらけで精神の荒廃も始まりました。
借金を返すためにパチンコ・スロットをやる気持ちが強くなり、
時には何も分からない競馬をやり、適当に一点5万賭けなどをやることもありました。
一発逆転を狙う思考が染みつくようになっていたのです。
人間関係の苦しみ。借金の苦しみ。
唯一、救いだったのは、この胸の内の苦しみを打ち明けられる、学生時代の仲間が近くにいたという事でした。
しかし、彼もまた同じようにギャンブルにはまり、借金を繰り返し苦しんでいました。
人間は同じ境遇の人間をみると、良い意味でも悪い意味でも安心する生き物だと思います。
彼とは時々会っては、近況を報告しあい、借金の悩みを共有していました。
いよいよ借金は限度額の100万になる頃、
その仲間と
「何とかしないとヤバイな…」と話し合った末、
銀行で働く学生時代の先輩の所へ相談に行くことになったのです…。
コメント