大リーグ・大谷翔平選手の元通訳による事件で注目された「ギャンブル依存症」。
実は北海道でも相談件数は増加傾向にあります。
札幌市で先週末、依存症患者や家族向けのセミナーが開かれ、いまも治療をうけている依存症の男性が自らの経験を語りました。
(当事者の男性)「もちろんギャンブルが止まっていなかったし、闇金とかからもお金を借りていたんですね」
札幌市内で先週土曜日に開かれたギャンブル依存症に関するセミナーです。
依存症の治療にあたる医師も登壇し、当事者やその家族ら100人以上が集まりました。
壇上に立つのは、自らも依存症を抱える道内出身の32歳の男性です。
スマートフォンで馬券を買える手軽さから競馬にのめりこみ、賭け事による借金は800万円まで膨らみました。
(当事者の男性)「借金をどうにかしなきゃいけないからギャンブルをしなきゃいけないと思いますし、逆に借金をこれ以上増やさないためにギャンブルをしてはいけないと思うので、ギャンブルをしても辛いし、しなくても辛いというような状態で本当に絶望でした」
去年7月、母親の勧めで当事者同士が助け合う自助グループに参加し救われたといいます。
(当事者の男性)「自分の経験が人に生きている。自分がギャンブルをやめて初めて救える人がいるのはモチベーションにつながる。ギャンブルをやめ続けてよかったなと思いますね」
セミナーの後に開かれた「当事者の会」です。
賭け事をやめた人や、やめたい人が集まり互いに支え合います。
(参加者)「カズキです。パチンコ・パチスロが種目で自助グループに通って、ギャンブルをやめて半年くらいですね」
集まった人は互いにニックネームで呼び合います。
匿名であるため、自分の過去や経験を素直に話すことができ、治療の励みになるといいます。
道内ではこうしたギャンブル依存に悩む人の相談件数は年々増加傾向にあります。
札幌市のギャンブルなどの依存症に関する担当者はこう分析します。
(札幌こころのセンター 筒井有美さん)「オンラインで気軽にオンラインギャンブル、若者から気軽にできる仕組みになっているので、そういったことでギャンブル依存が増えてきているのは一つの要因。コロナ禍の影響も少なからずあるのかなと思います」
治療にあたっている現役の医師は、ギャンブル依存症は精神的な弱さではなく病気だと強調します。
(北仁会 旭山病院 姫野大作医師)「これは自分の力でコントロールしたり自力で解決するってことは難しい脳の病気なんですね。時間はかかるんですけど必ず回復することは間違いなくありますので、一日でも早く相談していただきたいなと思います」
ギャンブル依存症は誰でもかかる可能性がある病気です。
家族や周囲のサポートはもちろん、なによりも本人の自覚と治療したいという意思が重要だということです。
STVニュース北海道
パチンコ・パチスロがやめられない。借金のことで悩んでいる。まずはギャンブル依存症相談機関へ。
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