青森県深浦町の深浦漁協で、火災共済などの共済掛け金の横領が判明し、50代男性職員を1月に懲戒解雇していたことが24日、関係者への取材で分かった。同日、同漁協で開いた非公開の臨時総会で出席した組合員ら約50人に説明した。総会では不祥事の責任を取る形で、3月に開催する通常総会での理事5人、監事2人の全役員改選も決議した。
出席者によると、同漁協は総会で、4、5年前から、同漁協が元請け業務を担う共済事業に絡み「証書が発行されていない」などとの問い合わせが組合員から役職員に頻繁に寄せられるようになった-と発覚の経緯を説明。全国共済水産業協同組合連合会青森支店に問い合わせたところ、当該の組合員は未加入の状態となっていることが判明したという。
同漁協は外部の公認会計士を含めた調査チームを立ち上げ、帳簿類のずさんな管理実態を確認。共済事業では支払い遅延や未加入が複数件判明し、未加入となっていた組合員は、火災などが発生した場合に補償が受けられない状態だった。
総会では、不正を見抜けなかった監査体制の不備を問う声も上がったといい、終了後の東奥日報の取材に応じた出席者は「今回の総会は納得できない部分が多かった」などと語った。
総会後の取材に、同漁協の山本幸宏組合長は不祥事について「まさかと思った。今後、全責任を取る」と話した。同漁協は、解雇した職員について、これまでの調査で判明した横領額を明らかにしなかったが、全額回収済みで、直ちに刑事告訴はしないとしている。
解雇された職員は、24日までの取材に「人手不足で業務多忙となり、怠慢で預かった金の処理が滞るようになった。最初は多い額ではなかったが、小さい額から横領しパチンコなどに使った」と説明。組合員に対しては「申し訳ない。反省の一言」としている。
総会で報告された同漁協の正組合員数は86人。県漁連のホームページによると、同漁協の主要魚種はブリ類、マイカ、タラ、ヤリイカ、メバルなど。
東奥日報(2024年2月25日)
元男性職員が横領した金額は明らかになっていませんが、「最初は多い額ではなかったが…」とされているので、多額の現金であったことが分かります。
パチンコ・パチスロをやらない大多数の人から見れば、多額の現金をパチンコで失うことなどあるだろうかと疑問にもつかと思いますが、いつの頃からパチンコ・パチスロは「庶民の娯楽」とはかけ離れた、遊びの範疇を超えたギャンブルとなっており、一日の軍資金は最低5万円ないと話にならないゲーム性なのです。
元男性職員は横領した金をパチンコで増やして返せば問題ないと思ったか、あるいは持ち合わせの金がなくパチンコが打ちたいという動機で横領をしたのか…。
いずれにしても、早いうちに横領した金を返しておかなければ大変なことになる事は理解していたはずです。当然、発覚すれば職を失い、懲戒解雇になれば退職金も貰えないことも。
そういった大きなリスクがあるにも関わらず、パチンコが打ちたいという衝動に負けてしまうということは、やはり元男性職員もギャンブル依存症の疑いがあると思えます。
元男性職員は横領した金を全額返済しており、組合も「直ちに刑事告訴はしない」としているので、刑事罰に課せられることはないようですが、仮に「パチンコ・パチスロが止められないで悩んでいた」という根本的な問題があったのならば、ギャンブル依存症相談機関へアクセスすることが賢明です。
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