【現代ビジネス】家族はギャンブル依存症者へどう関わればよいか…精神科医のアドバイス

https://ganbulingaddiction.com/2024/07/26/information/ギャンブル依存症情報

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ギャンブルに夢中になる人は大勢います。生活に重大な問題が起きているにもかかわらず、勝利や賞金を深追いし、嘘や借金が常態化してしまっている人もいます。「ギャンブル依存症」です。かつてはそういう人の問題を、本人の意志の弱さから起きることだと考えるのがふつうでした。しかし近年は、病気だと考えることが一般的になっています。脳の報酬系に異常が起きていて、本人の意志の力だけではやめられない状態になっているのです。

こういう場合は、医療機関を受診したほうがよいでしょう。そして、カウンセリングや認知行動療法などの治療を受けるようにしましょう。そうすれば、本人の行動パターンや考え方が変わり、脳も異常な状態から回復していきます。

この連載では、『ギャンブル依存症から抜け出す本』(樋口進監修、講談社刊)から、依存症の特徴から治療法、生活上の注意までを、全8回にわたって解説します。今回は、ギャンブル依存症のために家族ができることについてお伝えします。依存症の悪循環から抜け出すためのヒントを見つけてください。

ギャンブル依存症から抜け出す 第8回

家族は依存症について学びながら、自身のケアも忘れずに

ギャンブル依存症の人は、さまざまな迷いを抱えながら、この病気と向き合っています。本人が悩む様子をみると、家族は助言をしたくなるかもしれませんが、家族があれこれと言葉をかけても効果が出ることは少なく、むしろ本人にプレッシャーを与えてしまいます。

家族は助言をひかえ、まずは依存症について学ぶことを優先しましょう。病気を学び、本人の置かれた状況を理解することを心がけてください。医療機関や自治体が家族教室を開いて、依存症のことを家族向けに説明しています。そうした教室に参加し、生活面の注意点を学ぶとよいでしょう。

その一方で、依存症の人の配偶者に、うつ病や不安症などの心の病気がみられることがあります。ある調査では配偶者の約15パーセントが心の病気で医療機関にかかっていたという結果が報告されています。家族にも長年のギャンブル関連の問題によって、ストレスが蓄積しているのです。共倒れしないように、家族も必要に応じて医療機関を受診するなど、自身のことをケアしましょう。

本人にかける言葉は「自分の気持ち」「対策」「提案」の3つ

家族教室などで依存症という病気の特徴を学ぶと、この病気の人には考えのかたよりが生じやすいということがわかります。

本人がギャンブルに心をとらわれ、嘘をついたり借金を繰り返したり、日常生活を軽視したりするのは、依存症という病気の症状ともいえます。その部分をいちいち責めるのはやめて、別の方法で、本人と対話しましょう。

本人には、家族としてのつらい気持ちを伝え、具体的な対策や、専門家への相談・受診を提案するようにしてみてください。そうして一つひとつ対策を打っていくことが、回復への道筋になります。

【本人に伝わりやすい3つの言い方】

家族は本人に「自分の気持ち」「具体的な対策」「相談・受診の提案」の3つを伝えるようにしましょう。この3つには、本人の言動を否定するニュアンスが含まれません。そのため、本人に伝わりやすい言い方になり、問題解決への期待にもつながります。

1.「私は~」と自分の気持ちを伝える

「どうしてまた借金を」などと、本人の責任を問うのはやめる。それも症状のひとつと考え、かわりに「私は借金をされてつらい」と、自分の気持ちを伝えるようにする。そうすると口論が減り、家族の気持ちが多少は本人に伝わる

2.あきらめずに対策を示し続ける

本人がギャンブルをやめると言いながら、また手を出してしまうことがある。これも病気の特徴のひとつ。家族が「これじゃ一生治らない!」とあきらめてしまったら、改善は望めない。根気よく対策を示し続けたい

3.相談・受診は強要せず、提案する

専門家への相談を本人に無理やり約束させても、守ってもらえない場合がある。本人に病気だという自覚は生まれにくいので、自主的な相談・受診を期待するのは難しい。家族からの提案という形でもちかけるほうがよい

家族は借金の肩代わりをやめ、あくまでも返済のサポートを

家族は、お金の問題を早々に解決し、本人を治療に集中させたいと思うかもしれません。しかし、家族が肩代わりしてはいけません。そうしてお金の問題を本人から切り離すのは、誤った対応です。お金の問題がなくなるということは、本人にとっては、ギャンブルしやすい環境が整うということと同じで、再発を助長することにつながります。

本人がギャンブルで借金をしている場合には、まずその総額を調べましょう。本人から、すべての借金を聞き出してください。そうして家族はお金の問題の全体像を確認することと、その清算や返済のサポートを、自分たちの役割だと考えましょう。

【借金の種類】

・会社の給与や賞与、退職金などを家族に無断で受けとっている場合がある

・一般の金融機関からの借金。比較的調べやすく、返済計画も立てやすい

・家族や親族から借りたもの。子どもの預金を使いこんでいる可能性もある

・いわゆる「ヤミ金融」からの借金。弁護士など専門家への相談が必要に

・友人・知人や、ギャンブル仲間からの借金。借用書や金利などを確認する

借金の全貌がみえたら、本人が働きながら返済するという前提で返済計画を立てます。そのために援助が必要な場合には、家族・親族が協力を検討してください。

借金が複雑で、家族だけでは対処できない場合には、弁護士や司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。返済が難しい場合には、債務整理や自己破産などの方法をとれば、借金を整理し、現実的な返済計画を立てることができます。

借金の問題を解決する方法はいろいろと用意されています。あきらめずに相談してみましょう。

樋口 進(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター名誉院長・顧問・精神科医)

現代ビジネス(2024年7月26日)
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