パワハラを起因としたうつ病からの休職【ギャンブル依存症体験記 第18話】

依存症体験記

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人間は一度楽を覚えると堕落する。

職場の長期休暇を味わってしまった私は、その後も頻繁に仕事を休むようになった。

パワハラをしていた上司が異動先の上司にまで私への悪態を吹聴し、以前の部署ではいなくなった私に対しての根も葉もない噂を流し、どこまでも私を辞めさせようと追い込みをかけて来ていた。

精神的に心が休まることはなかった。

朝、仕度をして家を出るが、電車に乗る前に考え込む。

「パチンコ屋へ行ったほうがいいんじゃないか。」
「パチンコ・パチスロで稼ぐことも出来るのじゃないか。」

そんな思いを巡らし会社を休む。

有給休暇はもうないので、欠勤扱いとなり給料から欠勤分は差し引かれる。

パチンコ・パチスロは遊びでは勝てない。

手取りの給料は減っていき、妻に隠れて借金をしてパチンコ・パチスロにのめり込む。

酷いときは給料が数万の時があった。

そして、妻が貯蓄していた金を切り崩して生活費に充てるようになっていった。

私は、そんな状況にも関わらず、パチンコ・パチスロにはまり、パチンコのCRガロやCR花の慶次、CR仮面ライダーに金を注ぎ込んだのだ。

そんな中で私が気が狂うほどのめり込んだのが、CRG1ドリームという機種だ。

決して競馬を好んでいたわけではないが、この機種の作り込みゲーム性が気に入り、朝から夜まで一日中打っていた。

そんな日々を繰り返す数ヵ月後、会社から

『休職を命ず』

との話しが。

当然の結果であるが、会社側からは、休職すれば傷病手当金が給料の66%が出るし、病気の完治にも専念できるとの説明があった。

しかし、この事が会社側の巧妙な手口であったことが後に解ることになる。

本来は傷病人が会社から出た場合、その傷病が業務に起因するものか、会社は従業員にヒアリングしないといけない。
また、産業医などを通じて診察しないといけない。
もし、業務に起因する傷病である場合、労災となり、労災の場合、国から入院費や通院費、休業補償が出るわけだ。

会社はこの政府労災の費用を国に納めているわけだから、懐が痛むことはない。

では、なぜ、この政府労災の存在を私に告げなかったか。

それは、労災が起こった場合、会社は社会的評価が落ちる。
そして、何よりも万が一従業員が会社側を損害賠償などで訴えた場合、健康配慮義務違反及び安全配慮義務違反で敗訴する可能性が高まるからだ。

つまり、私が会社を訴えるのを防ぐため、また、訴訟になったとしても会社側が有利になるように先手を打ってきたのだ。

私は無知ゆえに、この休職の話をすんなり受けてしまい、事実上、私的な傷病として受け入れてしまった形になったのだ。
本来は上司によるパワハラが因果関係にあるのに。

そんなことも知らず、私は休職したことを良いことに、呑気にパチンコ・パチスロにのめり込んでいった…

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