【詳報】「殺していないし金も奪っていない」 強盗殺人事件で被告が無罪主張 北海道・釧路地裁
「検察官の話は事実ではない」
田中治樹被告は検察官が起訴状を読み上げた後、裁判長が認否を訪ねると、緊張した声でこう答えました。
さらに「弘子さんを殺していませんし、お金を奪ってもいません」と起訴内容を全面的に否認しました。
起訴状によりますと田中被告は2016年1月、釧路市愛国西2丁目の住宅で、おばの田中弘子さん(当時80)の頭を鈍器のようなもので数十回殴って殺害し、現金およそ20万円を奪ったとして強盗殺人の罪に問われています。
田中被告は短めの髪に青色ネクタイのスーツ姿で黒ぶち眼鏡と白いマスクをして法廷に現れました。
冒頭陳述で検察側は、弘子さんなどからの度重なる借金で返済に追われていた田中被告がおばの弘子さんを殺害し金品を奪って支払いに充てようと殺害したと主張。
事件の前後には「鑑識 仕事内容」「殺人事件何を調べる」「北海道の新着ニュース」について検索し、下半身がタイツ姿でコンビニに行ったり、自身の口座に入金した約20万円のうち1万円札3枚が弘子さんが引き出した紙幣と番号が一致しているとしています。
一方の弁護側はパチスロをするための借金が多く、金にだらしない一面があった事は認めたうえで、事件があった日に約20万円所持していたのはパチスロで勝ったためなどと主張しました。
「鑑識」や「殺人事件」の検索についても警察官や指紋採取の仕事に就くサイトだったとしています。
犯行について全面否認する被告と弁護側は、事件前後の田中被告の行動は説明がつくとして無罪を主張しました。
STVニュース(2024/1/16)
テクノロジーが進化する昨今にあって、多くの事が可視化されています。
図書館や本で調べていたものが、スピーディーかつ簡単に調べられるようになりましたが、必要な時には自分がいつ何をネットで検索していたかまで分かってしまう時代です。
さらに、銀行へ入出金した札の番号まで抑えられているという…。
被告は「20万円所持していたのはパチスロで勝ったため」と主張しているようですが、これも、どのパチンコ店でどの機種かまで確認すれば、真実がどうかが証明されてしまうのではないでしょうか。
仮に「記憶にない」と証言するならば、それは信ぴょう性に欠けると思います。
というのも、パチスロで20万円儲けるにはメダルにして約1万枚が必要です。
パチスロで1万枚を出すこと事態、稀な出来事であり、事件があった2016年当時でも個人レベルでは頻繁に起こる出来事ではありません。
そのパチンコ店や機種を忘れるという事はあり得ないとさえ言えます。
また、被告は「パチスロをするための借金が多く」と弁護側が述べているように、ヘビーユーザーであることが分かります。
偶然入ったパチンコ店で20万円勝ったというビギナーズラックであれば、店の名前も機種も分からないという言い分も理解できますが、借金をしてまでパチスロを打つヘビーユーザーですから、店の名前や機種名はきっと忘れないでしょう。
パチンコ・パチスロユーザーの90%以上は生涯収支がマイナスな訳ですが、大切なお金を失ってまでなぜパチンコ店に行くのかと問われれば、「そこにパチンコ店があるから」という登山家の名言ではなく、負けた記憶を忘れ勝った記憶だけが鮮明に残っているからです。
パチンコ・パチスロはそれが音・光・振動・ゲーム性と相まって、強烈に脳へ焼き付くのです。
ユーザーが滅多に味わう事もない20万円勝ちのインパクトは絶大だったでしょう。
それを忘れることはないはずです。
例え、一日で20万円勝ったのではなく、数日間で20万円勝ったという事であれば、それもまた借金をするほどのギャンブラーなのですから、稀な出来事である「連勝」を忘れることもないでしょう。
パチンコ店が2016年当時の防犯カメラ映像を保有しているとは考えにくいですが、出玉データなどであれば残っている可能性があるのではないでしょうか。
ただし、現在高らかに叫ばれているパチンコ店閉店ラッシュの波によって、そのパチンコ店が消滅していることもあり得ますが…。
いずれにしても、被告は「金にだらしない」というよりも、借金をしてまでパチンコ・パチスロを打つという症状は、ギャンブル依存症という病気を患っている可能性が高いと思われますので、被告の有罪無罪に問わず、専門医によるギャンブル依存症診断が更生のためにも必要ではないかと考えるものです。
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