どれだけ注意喚起や警告をしても『車内放置事故・事件』がなくなりません。
またしても、『車内に乳児残してパチンコ・・・』という事件が発生しました。
報道によると以下のとおりです。
北海道警旭川東署は6月30日、旭川市末広5の2、自称解体業の男(20)と内縁関係の同市の無職女(19)を保護責任者遺棄容疑で逮捕した。
発表によると、2人は同日昼、旭川市内のパチンコ店の駐車場に駐車した車のチャイルドシートに、生後4か月の長男を約1時間半放置した疑い。長男は無事だった。2人はパチンコを打っていたといい、容疑を認めているという。
旭川市の最高気温はこの日、25度を記録したが、車のエンジンは切られ、窓は閉め切られていた。来店客が気付き、知らせを受けた店が110番した。
読売新聞
生後4か月の赤ちゃんを一人車に残すなど考えられない事だと多くの方は思うのではないでしょうか。
ましてや、1時間半という時間、親は赤ちゃんを残しパチンコを打っていたのですから。
多くの人は、この親に対し「責任感」を問うかと思います。
しかし、私は別の視点をもちます。
それは、「逮捕された親は重度のギャンブル依存症ではないか?」ということです。
ギャンブル依存症は国内で認定された病気であり、分類としては「精神疾患」の位置づけです。
ギャンブル依存症に罹患した場合、他の精神疾患と同じように正常な判断ができなくなる事があります。
法律で制定された「ギャンブル依存症対策基本法」にも「ギャンブル依存症は多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題に密接に関連している・・・」と明記されているとおり、過去の事例や医学的見地に基づいても、そう言えることができるのです。
ギャンブル依存症が社会問題とされ、その抑止のために法律が制定されるまでに至ったのは、世界で最も多い罹患者数320万人という数字が浮き彫りとなった為です。
そして、320万人のギャンブル依存症者の実に8割以上がパチンコ・パチスロが原因とされています。
現在のパチンコ・パチスロの遊技人口が710万人とされていますので、ユーザーの3人に1人以上がギャンブル依存症者ということになります。
つまり、今回起きたような事件は過去に何度も起きた事件であり、
起こるべくして起こった事件であり、パチンコホールがある限り、今後も起こり得る事件なのです。
「病気になるのも、ならないのも自己責任。パチンコ・パチスロをやった本人が悪い」
という自己責任論になるのであれば、私は「告知義務」が事前に無いとフェアじゃないと思うのです。
今ではタバコにもアルコール類にも、消費者への「リスク」について明示されています。
パチンコ・パチスロにも「のめり込みに注意」のような生易しい告知ではなく、厚生労働省が持っている数字や医学的見地に基づいた数字を消費者であるユーザーに知らせる義務があると考えるのです。
「日本国内に320万人のギャンブル依存症者がいますよ」
「パチンコ・パチスロユーザーの3人に1人以上はギャンブル依存症者ですよ」
「ギャンブル依存症は精神疾患ですよ」
「ギャンブル依存症になると、高い確率で多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題を抱えることになりますよ」
「ギャンブル依存症になると、治ることはなく、薬物依存やアルコール依存と同じように一生向き合わないといけなくなりますよ」
など、そのリスクを初めに告知した上で「自己責任論」になるのではないでしょうか。
また、自己責任では片づけられないからこそ、法律が制定され病気認定された訳です。
単純に言えば、ギャンブル依存症の医療費が3割負担で済むということは、7割はパチンコ・パチスロに関係のない国民までもが負担していることになります。
一つ言えることは、世界にはカジノがある国もありますが、ギャンブル依存症者数は日本国と比較して極めて少ない人数です。
その違いは何か。
それは「パチンコ・パチスロ」がある国か否かということです。
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