令和4年3月24日、パチンコ・パチスロメーカー団体である日本遊技機工業組合(日工組)と日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)が記者会見を行い、次世代遊技機と言われているスマートパチンコ・スマートスロットがそれぞれ2023年1月、2022年11月の納品を目標としていることを明らかにした。
スマートスロットで言えば、早ければ今年の初冬にはパチンコホールに導入されるということである。
ただし、スマートパチンコ・スマートスロットの開発・導入は、これまで何度も延期されてきた経緯があり、果たして目標どおりに実現されるかは定かではない。
スマート式の特徴
・ユーザーが直接、玉やメダルを触らずにパチンコ、パチスロを打てる
・全国のパチンコホールで運用される台のデータが一元管理される
・パチンコホールの釘閉めの監視
・ギャンブル依存症の予防対策
上記がスマート式の主な特徴であるが、これを見て感じた方も多いと思う。
そう、とんでもなく高い機械になりそう!ということである。
現行のパチンコ、パチスロ機ですら1台70万円もする機械もある。
恐らく、それをゆうに超える値段になるのではないだろうか・・・。
例えば、1台70万円と低く見積もっても、10台導入で700万円、50台導入で3,500万円である。
この費用を捻出するのはパチンコホールであり、元を辿ればユーザーの財布からであるという図式はこれからも変わらない。
スマート式導入によって、ユーザーに大きなメリットがあるようには到底思えない訳であり、パチンコ業界が急速に縮小し、遊技人口が激減している昨今にあって、損をするのは客であるユーザーだと思えてならない。
令和4年4月現在、全国のパチンコホールは「閉店ラッシュ」という言葉が飛び交うほど、急速な縮小及び閉店・廃業を迎えている。
このパチンコホール閉店ラッシュは、旧基準機のパチンコCR機とパチスロ5号機が撤去対象となり、急速な遊技人口の激減と相まって、パチンコホールや運営会社が費用を捻出できず、事業縮小や事業撤退を決断している事から起こっている。
そんな状況の中、スマート式が導入されることによって何が起こるだろうか。
- 中小規模のパチンコホールの廃業
- さならなる遊技人口の減少
この2点が顕著に表れると予測する。
というのも、このスマートパチンコ・スマートスロットを導入するには、パチンコホールは店舗内の設備自体も改築しないといけない。
スマート式の導入費用と設備費用という二重の出費が伴うということだ。
そうなれば、年々、規制が強化されるパチンコ業界に見切りをつけ、このタイミングで事業撤退を決断するパチンコホールも多いだろう。
残るのは資金力がある大手パチンコチェーンだけということも考えらえる。
ちなみに、大手パチンコチェーンも業績が芳しくないのは以下の記事でも分かる。
つまり、業績が苦しいパチンコホールも、スマート式が導入されたところで、費用回収のためにユーザーから今まで以上にお金を頂かないといけない訳である。
さらに言えば、2024年からは貨幣の新札が発行開始となる。
パチンコホールに設置してあるシステムが新札に対応できるかは明らかになっていない。
新札は偽造防止のため、最新の技術が組み込まれているという話もあり、あるいはパチンコホールも設備を入れ替えないといけない可能性も過分にある。
もし、その設備も入れ替えとなるならば、さならる設備投資ともなる。
もはや、パチンコ・パチスロユーザーはこの機会に引退をした方が良いのではないだろうか・・・。
そして、最後に触れておきたいのが、スマート式の特徴とされる「ギャンブル依存症予防対策」という項目である。
果たして、スマートパチンコ・スマートスロットにどんな依存症対策が施されるのだろうか。
スマート式にギャンブル依存症対策が組み込まれるならば、個人的には以下の2点は必須だと考える。
- 医学的見地に基づいた、脳への悪影響がないと保証される機械からの光、音、振動であること
- 遊技をする前に厚生労働省が制作したギャンブル依存症啓発動画を視聴しないと遊技開始できない
本来は、換金禁止なわけであるから、特殊景品の廃止で日用品のみにしか交換できないシステムが健全であり、遊びの範疇ではないだろうか。
段階的な廃止であるならば、レートを1円パチンコ、5円スロットにするのも建設的手段だと考える。
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