年間行方不明者8.7万人・失踪者数・動機・ギャンブル依存症との因果関係

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令和2年に警察庁が発表した「令和元年における行方不明者の状況」によると、令和元年の行方不明者数は86,933人とのことです。

過去10年間ではほぼ横ばいで推移していますが、年間自殺者数の倍以上の数字には驚愕します。

また、この86,933人という数字は、あくまでも警察に「行方不明者届」が出された者の数であり、届け出がだされていない数字はカウントされていません。

実際にはもっと多い数の行方不明者がいるのでしょう。

ただし、この86,933人という数字は延べ人数ということなので、同一の人物が行方不明と発見を繰り返していてもカウントされている数字です。

どういう事かと言うと、行方不明者の中には、「認知症による行方不明」があるのです。

令和元年で見ても、認知症による行方不明者が17,479人全体の20%を占めています。

認知症の場合は、意図的ではなので何度も繰り返してしまうケースが考えられます。

また、未成年者(10代以下)の行方不明者数も16,825人いますので、こういった若年層の場合は、学校や家庭環境の問題から行方不明となり、何度も繰り返すケースも考えられます。

男女別では、男性が56,379人、女性が31,583人と男性65%女性35%という構成比です。

年齢層別では、20代が最も多く(17,852人、全体の20.5%)、次いで10代(15,572人、全体の17.9%)となっています。

10代と20代で行方不明者全体の4割近くを占めていることになります。

また、70歳以上も増加傾向にあるとのことで、70代80代で行方不明者全体の25.9%となっています。

原因・動機別では、疾病関係が年々増加傾向にあり、令和元年は23,906人(構成比27.5%)と最も多く、このうち認知症又はその疑いによるものは17,479人(構成比20.1%)とのことです。

上記の発表値から言えば、残りの6,427人は認知症以外の疾病ということにもなります。

令和元年中に所在が確認等された行方不明者は、84,362人で届け出の97%は所在が確認されたことになります。内訳としては、警察又は届出人等において所在が確認された者は71,910人。死亡確認が3,746人。その他(届出の解消等)が8,706人です。

行方不明扱いとなっても、殆どのケースは所在が確認されていることが分かります。ただし、所在が確認されたとしても、行方不明者全体の4%は死亡確認という残念なケースも含まれています。

また、届け出解消というケースもあり、これは届け出の10%を占めています。

届出受理から所在確認(死亡確認、その他を除く。)までの期間は、受理当日が最も多く33,640人で届出全体の38.7%、次いで2日~7日以内の24,548人28.2%となっています。

行方不明の届出があったとしても、1週間以内に所在が確認されるケースが66.9%ということです。

なお、1カ月以内に所在が確認されたのが73.9%、3か月以内が75.3%、半年以内が77.1%、1年以内が78.8%、2年以内が80.3%、2年以上で確認されたのが82.7%となります。

この警察庁のデータから、行方不明者が1年以内に所在確認されるケースが8割近くあることが分かります

また、死亡確認は3,746人4%、届出の解消等のその他が8,706人10%ですので、その数字を含めると、1年以内に行方不明者が所在確認される数字は、92.8%となります。

1年以内に殆どの行方不明者の所在が確認される事が分かりますが、一方で2年以上経過しても所在確認が取れないという数字が3%あるという事にもなります。行方不明者数で言えば、2,600人です。

男女別

男性が56,379人、女性が31,583人と、男性の割合が高く、男性、女性共に過去10年間では、ほぼ横ばい。

年齢層別

これまでも10歳代、20歳代が多かったが、20歳代が最も多くなっており、過去5年でも増加傾向。また、70歳以上も増加傾向。

年齢別行方不明者数構成比
9歳以下1,2531.4%
10歳代15,57217.9%
20歳代17,85220.5%
30歳代10,51212%
40歳代7,9359.1%
50歳代6,0166.9%
60歳代5,1095.9%
70歳代10,51712%
80歳代12,16713.9%
警察庁生活安全局生活安全企画課

原因・動機別

原因・動機別では、疾病関係が年々増加し、令和元年は23,906人(構成比27.5%)と最も多く、このうち認知症又はその疑いによるものは17,479人(構成比20.1%)。

疾病関係に次いで、家庭関係の14,335人(構成比16.5%)、事業・職業関係の10,244人(構成比11.8%)の順で多い(その他、不詳を除く。)

内訳の詳細

行方不明者の所在確認等の状況

令和元年中に所在が確認等された行方不明者(確認をした年次以前に受理した届出分を含む。)は84,362人。

令和元年中に所在が確認等された者は84,362人で、このうち、警察又は届出人等において所在が確認された者は71,910人。死亡確認が3,746人。その他(届出の解消等)が8,706人

届出受理から所在確認(死亡確認、その他を除く。)までの期間は、受理当日が最も多く33,640人、次いで2日~7日以内の24,548人

まとめ

これまで、news記事などで「年間行方不明者10万人」というようなタイトルを目にして、私自身「年間にそんなに行方不明者が出るのか・・・」と思っていましたが、今回、警察庁のデータを元に記事を作成したところ、行方不明者の実態というものが見えました。

殆どの行方不明者は所在が確認されていることや、若年層の家出や高齢者層の認知症による届出が含まれているという事などです。

一方で実数としては、年間で2,600人ほどの行方不明者の所在が不明なままという事も分かりました。届出数が多いだけに過少に見えてしまいますが、この数字は決して少ないとは思えません。ましてや、行方不明者のご家族や親族などにとっては、一人一人が尊い命であり、大切な存在なわけです。

今回、私が「年間行方不明者数」のテーマにしたのは、原因・動機について着目したからです。

例えば、行方不明者の動機について、認知症以外の疾病者が6,427人います。こういった人たちがどんな病気に罹患しているのかという疑問です。行方不明になってしまう程の病気とは何だろうかということ。

また、遊び癖や放浪癖等が含まれる「その他」の動機が17,638人です。

さらに、原因不明の「不詳」が16,710人います。

これらの4万人の行方不明者の動機をさらに深堀りした時に、私は「ギャンブル依存症」という病気が関係してくるのではないかという仮説をもっています。

日本国内には、厚生労働省調査で340万人いるといわれるギャンブル依存症者がおり、そのギャンブル依存症者の1.2%の人が行方不明となっても何ら不思議に思わないからです。

というのも、私自身がギャンブル依存症者であり、今は順調に回復をしていますが、専門医院に入院しギャンブル依存症回復プログラムを受けるまでは、壮絶な苦しみを味わい、何度も「どこかに逃げたい」「今いる場所から離れたい」「全てをやり直すために誰にも知らない所に行きたい」という思いに駆られました。

最悪な時には希死念慮にも悩まされました…。

そういった自分自身の体験もありますが、何よりもギャンブル依存症回復プログラムを受ける中で出会った人たちが、私と似たようなプロセスを辿っていたり、同じような心の悩みや問題を抱えていた事が大きいです。

つまり、大勢の依存症者の方々が自殺未遂をしていたり、行方不明者となったことを経験していたのです。

ギャンブル依存症は、医学的に脳の報酬系に異常をきたしている病気とされており、例えば、パチンコ・パチスロなどで一度脳に快楽の記憶が刻まれると、それは一生消えることはないのです。それは、快楽物質であるドーパミンによる影響であり、強い意志だけでそれを克服するのは困難だと言われています。

現在、覚せい剤取締法違反の罪で服役中の田代まさし氏が、講演会やネット番組などで「一生、欲望と闘わないといけない病気」「目の前にあったらやってしまうかもしれない…」「絶対に手を出さない方が良い。大きな後悔をする」など、話していましたが、ジャンルは違うものの、依存症としてのカテゴリーでいえば理解できる内容でした。

依存症になってしまった後は、適切な治療と回復プログラムを踏み、生きて行く環境も大切になってくると実感しています。環境というのは、同じような痛みを理解できる仲間との繋がりであったり、依存対象の物と物理的に距離が取れる環境などです。

私の場合、パチンコ・パチスロによるギャンブル依存症であり、日本国内に住んでいる以上、全国に8,000店もあるパチンコホールから逃れることは大変な思いです。

近年、IR法案をきっかけに国としてギャンブル依存症対策基本法が制定され、パチンコ業界への規制が強くなってきましたが、それでも日本国内に710万人のパチンコ・パチスロユーザーと8,000店舗のパチンコホールがある現状です。

TVCMや駅構内などでのパチンコホールの広告、YouTubeなどでも意図しない所でパチンコ動画がおすすめに出て来てしまうこともあります。

厚生労働省が調査したギャンブル依存症者のデータから見ると、公営ギャンブル以外のパチンコ・パチスロの依存症者が多数を占めていることも分かります。

実に、パチンコ・パチスロユーザーの半分がギャンブル依存症者の可能性があるのです。

国がギャンブル依存症対策基本法を制定しないといけない程の社会問題であり、この問題を解決するには、パチンコ・パチスロに対する規制をもっと強化しないといけない訳です。

規制は徐々に進んでいるようですが、私が主張したいのは、「消費者への告知義務の徹底」ということです。

現在、アルコールやたばこにも病気に罹患するリスクを消費者に事前告知する義務が課せられています。それらも、まだリスクが分かりづらい表記ではありますが、パチンコホールやパチンコ業界は、この消費者への告知義務を徹底する必要があると思います。

「パチンコは適度に楽しむ遊び」などという曖昧な表記ではなく、

「現在、パチンコ・パチスロユーザーの半分はギャンブル依存症に罹患しています

「国内にギャンブル依存症者は340万人います」

「あなたも、パチンコ・パチスロによってギャンブル依存症に罹患する可能性があります」

「ギャンブル依存症に罹患する確率は〇〇%です」

というような、パチンコ・パチスロをやることによってリスクもあるという事を事前に告知しないとフェアではないし、それを承知した上でギャンブルを行い病気に罹患したのなら自己責任だと考えるのです。

最後になりますが、これほど社会問題になっていて、法律にも制定される程の問題であるギャンブル依存症という病気が、行方不明者の動機に繋がっているという可能性は否定できないものと訴えたいと思います。

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