捜査で訪れた住宅から現金20万円を盗んだとして、警視庁は5日、下谷署刑事組織犯罪対策課の男性巡査長(38)を窃盗容疑で書類送検し、発表した。「遊んだりする小遣いが欲しかった」と容疑を認めているという。警視庁は同日、懲戒免職処分とした。
人事1課によると、今年3月15日に80代の女性が東京都台東区の親族宅で倒れ、死亡する事案があった。巡査長は同日夕、捜査でこの住宅を訪れ、室内から現金20万円を盗んだ疑いがある。
巡査長は、同僚の男性警部補が親族から話を聞いている間、現場の写真撮影をしながら戸棚の引き出しを開けて現金を盗んだという。
巡査長は調べに「飲食やパチンコに使った」と供述。今年に入り他にも2回、同様の事案で訪れた別の住宅から計約10万円相当の貴金属などを盗んだと話したという。
幡野徹・警務部参事官は「職務の信用を著しく失墜させる行為であり、厳正に処分した。規律の保持と適正な職務執行について、改めて徹底する」とコメントした。
朝日新聞デジタル(2024年7月5日)
余罪がある窃盗であることから「魔が差した」という言葉では片づけられない事案ではないでしょうか…。それとともに、元巡査長の動機に着目すると、やはりここにも「ギャンブル依存症」の可能性が見え隠れすると考えます。
盗んだ金でパチンコを打った→なぜ、そこまでして金を盗んだのか→パチンコを打つ金が欲しかった→なぜ、金がなかったのか→パチンコで負けて金がなかった→なぜ、給料日まで待てないのか→パチンコが打ちたいという衝動に打ち克てなかった…
仮に元巡査長が多重債務などに陥り、借金をしてまでパチンコにのめり込んでいたのならば、ギャンブル依存症を患っている可能性が極めて高いと思われます…。
言うまでもなく、パチンコ業界の所轄は警察庁です。「木乃伊取りが木乃伊になる」という表現が当てはまる程、パチンコは依存性が高いことを警察の方々が重々承知していることだと思います。というのも、日々、パチンコ関連事件が山のようにあるからです。
「こいつは、とんでもねえシロモノだな」と警察の方々が承知しているからこそ、パチンコ業界への規制強化・定期的な講話を行っているのではないでしょうか。しかしながら、パチンコ業界の取り巻く状況を認識している警察官でさえ、こういった犯罪に及んでしまうほど、パチンコ・パチスロの依存性は高く、理解の上をいく考え抜かれた仕組みによって、人間の脳が破壊されるのがパチンコ・パチスロなのです。
ギャンブル依存症は心の病気というよりも、脳機能障害という表現が正しいとするギャンブル依存症専門医もいるくらいなのです。タバコやアルコールのパッケージには「病気リスク」についての警告が明記されていますが、パチンコ店には「パチンコは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう」というポスターのみです。
これは消費者保護の観点から言ってもいかがなものでしょうか?パチンコ店やパチンコ・パチスロ台には「日本国内のギャンブル依存症者数は320万人です。」「推計でユーザーの3人に1人はパチンコ・パチスロ依存症を患っています」「ギャンブル依存症は寛解はあるが完治はないとされており、一度罹患すれば一生闘病しないといけなくなります」とはっきり事前警告するべきではないでしょうか。
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