【裁判】元警察官が偽造書類で知人の口座から現金700万円を引き出し…ギャンブルで抱えていた多額の借金返済のため

https://ganbulingaddiction.com/2025/02/12/news-731/ニュース

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神奈川県警の元警察官が、偽造書類を郵便局に提出して知人の口座から現金700万円を引き出したとして逮捕起訴された事件の裁判が、2月10日、横浜地裁で行われた。検察は犯行が巧妙、大胆、悪質だとして、懲役3年6月の実刑判決が相当と求刑した。

警官が仲間の警察官にも嘘をつき、同行を求めた上で郵便局を訪れ、駐在所管内の住民の口座から、現金700万円を騙し取ったとする異例の事件。犯行に及んだ当時は現職だった。

犯行の動機として、ギャンブルで抱えていた多額の借金返済と、結婚資金のためだったと明かした。ギャンブルは警察の同僚に誘われたのがきっかけで、職場でのパワハラや交際相手との関係に悩む中で依存症になっていったという。

被告人は、日常的に被害者の世話などをしていたところ、被害者が不動産を売却して多額の金銭を手にしたことを知った。入院する被害者から通帳を預かり、犯行に及んだと認めた。「絶対バレると分かっている」にもかかわらず、借金で首が回らず死ぬしかないと精神的に追い詰められ、止めることができなかったなどと述べた。

事件後、懲戒解雇された被告人だが、警察官の立場を悪用する犯行までに追い込まれた背景は何だったのか。

●同意書証の取り調べ
検察官からは、被告人が被害者を日常的に世話していたこと、入院する被害者から通帳を預かり、その通帳を返せと言われたことをきっかけに、郵便局で引き出しを行ったことなど、事件の経緯に関する書証が提出された。

弁護人からは、被害者との間で示談が成立していることや、被告人の謝罪文・反省文の他、ギャンブル依存の診断書と更生プログラム等の書証が提出された。

●母親「感情がなくなった」
被告人の母親が、証人として出廷した。

まず、事件のことを聞き、あまりのことに「感情がなくなった」と証言した(※筆者注:あまりのことに驚き、現実感がなくなっていることを指すと考えられる)。

その上で、育てた責任を感じます、と述べ、「私もあまり(被告人の様子を)みていなかった」と後悔を滲ませた。

また、被告人が職場のパワハラや、交際相手に不倫されたことなどが重なって悩んだ時期から、パチンコにハマっていったと証言した。

さらに被告人の性格などを聞かれ、感情を表に出さず、愚痴も言わないタイプであると述べた。

被告人のお金の使い方については、酒も飲まないし自動車にお金をかけることもなく、ただギャンブルと、見栄を張っているのか、周りの人に食事をごちそうするところがあったという。

また、それ以前には、家計が苦しいときに援助してくれたり、父親のために300万円を出してくれたこともある、と述べた。

保釈後は、被告人は金融機関からの借り入れについて弁護士に相談して話を進めたり、社会復帰に向けた専門的な技術の勉強をしたりしており、これほど勉強している被告人を見たことがないと証言した。

ギャンブル依存についても、通院をしながら向き合っていくと述べた。

被害弁償の700万円は、母親の退職金から支払ったという。

この700万円を被告人から返してもらうつもりなのか、と聞かれた母親は、親が出したままにするのは、「更生のためにならないと聞いている」ため、被告人の経済状況が回復したら返してもらうことを考えていると述べた。

ただし、以前父親を助けるために出してもらった300万円分については、返してもらうつもりはないとした。

●「絶対バレるってわかっている」のに、踏みとどまることができなかった
続く被告人質問で、被告人は以下のように供述した。

被告人は警察の仲間に誘われてギャンブルを始め、先に母親が証言した、職場や交際相手との関係で辛い時期に依存症になっていったという。

700万円の使い道については、金融機関への返済と、婚姻費用、残りはギャンブルと述べた。

弁護人からどこかで踏みとどまることができなかったのか質問され、被告人は以下のように答えた。

被害者の通帳から現金を引き出せば「絶対バレるってわかっている」ことは分かっていた。しかし、借金が膨らんで借金を借金で返すようになってしまい、次の支払い時期が迫っていたことから、このままでは命を絶つしかないと思うようになり、精神的にギリギリだったと述べた。

また、検察官からは、郵便局長から、警察官2人で来てほしいと言われた際に、先輩警察官にも虚偽の事実を伝え、先輩警察官から「大丈夫なのか?」と確認されたにもかかわらずそのまま犯行を継続している点につき、ここで引き返せなかったのかと問われた。

これに対しても、被告人は、借金で首が回らず、死ぬしかないという限界の精神状態だった(ため、引き返せなかった)と述べた。

そのうえで、本当に申し訳ないことをした、決して許されないことをしてしまい、多くの人々に迷惑をかけた、と述べた。

母親とは、裁判では包み隠さず全てを話してやり直そうと話し、借金の返済やギャンブル依存にも一緒に向き合っていくという。

●検察官の論告「巧妙、大胆、悪質な犯行であり、実刑が相当」
検察官は、本件について以下のように述べ、実刑が相当であるとした。

まず、犯行態様は、警察官としての立場を悪用し、被害者の入院を奇貨(「きか」。利用すれば思わぬ利益を得られそうな機会の意)として多額の現金を引き出したものとして、巧妙・大胆・悪質な犯行であるとした。

また、被害者は確かに返金されているが、信頼していた警察官に裏切られ、精神的損害は大きいと述べた。

さらに、警察官の立場を悪用したことは、市民の信頼全体にかかわることであり、身勝手で利欲的な犯行であることから、懲役3年6ヶ月の実刑判決が相当とした。

●弁護人の弁論「当初から一貫してありのままを述べ」十分に反省している
弁護人は、被告人が逮捕当初から一貫して犯行を認め、ありのままを述べてきたことや、前科前歴も一切ないこと、十分に反省していること等を主張した。

また、ギャンブル依存についても、専門家の指導に従ってサポートを受けていること、被害者と示談が成立していること、報道などによる社会的制裁も受けていることを主張し、執行猶予を付すべきであるとした。
(弁護士ドットコムニュース・弁護士/小倉匡洋)

弁護士ドットコムニュース(2025年2月12日)

被告はいわゆる「底つき」に直面しているため、ギャンブル依存症からの回復を真剣に取り組むならば、この場面しかないと思います。これで、何とかその場を切り抜けてしまうと、後はこれまでよりも深い闇に陥っていくことは言うまでもありません。

ギャンブル依存症は寛解はあっても完治はないとされており、一生、いつか訪れるかもしれない強いギャンブルへの衝動と闘っていかなければなりません。被告が行った行動から、重度のギャンブル依存症と思われますので、実刑判決あるいは執行猶予がついたとしても、その後に周囲のサポートが必要だと思います。

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