【報道】サガテレビが佐賀市のギャンブル依存症リハビリ施設を取材…つながりと突き放す大切さ

https://ganbulingaddiction.com/2024/07/30/news/ニュース

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賭け事にのめり込み“普通の生活”すら困難になる病、ギャンブル依存症。佐賀市のギャンブル依存症リハビリ施設で集団生活を通して社会復帰を目指す依存症の当事者、そして当事者との関係に悩む家族たちを取材しました。そこには佐賀ならではの課題も。

【入所者ゴウさん】
「窃盗しに行く度に手は震えてましたし、もうこれしか方法はないんだっていうふうなくらいまで自分を追い込んでいた」

生涯で依存症が疑われる20歳以上の人が全国で推計320万人いるとされるギャンブル依存症。
人が楽しいことをしたいと思うときにはドーパミンという物質が脳内で分泌され、報酬系と呼ばれる神経回路を刺激しますが、ギャンブルはその回路を強く刺激して、次第に行動を制御できなくなってしまいます。

【入所者ゴウさん】
「ギャンブルで借金をしてること自体がこう恥ずかしいというか、借金額が増えれば増えるほどそういう気持ちがどんどんどんどん膨らんでいって一人でずっと抱えてまうようなって」

20年近くの間、依存症と戦ってきたゴウさん47歳。借金を抱えはじめた30代から徐々に生活がギャンブルにむしばまれ、人との接し方すらわからなくなったと話します。

【入所者ゴウさん】
「普通に言えてたことがどんどんどんどん言えなくなってくる、通常会話すらもうなんか別に嘘つかなくていいようなところでも嘘をついたりとか」

借金と嘘を重ねて孤立し、追い詰められたゴウさん。
最終的には窃盗を繰り返して去年11月に逮捕されます。

【入所者ゴウさん】
「お金が尽きてしまうと窃盗に走るみたいなことをずっと繰り返して。正直捕まってなんか今思えばですけどほっとしたんですよね。うん、やっと捕まえてくれたみたいな。」

留置所でギャンブルから離れることができ、ようやく自分の病と向き合えたゴウさん。今年3月に”回復の第一歩”を踏み出しました。

【入所者ゴウさん】
「1日3食食べれて、しっかり睡眠が取れてっていう生活を普通の生活をそう(したいと)思えてここに施設に来させてもらった。少しずつなんですけど、素直な自分を取り戻すことができてきている」

「本日のテーマは回復です、話の準備ができた方よろしくお願いします」

佐賀市のギャンブル依存症リハビリ施設、COBYPLAN。ゴウさんは同じ病で悩む仲間と約1年間の集団生活を送りながら社会復帰を目指します。

「何が回復かっていうところは僕にはまだ見えていない状況ではある」

この日、入所者たちが取り組んでいたのは質問や反論のない「言いっぱなし、聞きっぱなし」のミーティングです。各々が自らの思いや経験を率直に話します。

【入所者】
「失った金額は佐賀市の普通の一軒家買えるくらい」
【入所者】
「去年11か月半で施設飛び出して、お金を作れなくなってから帰る場所がなくなってからここに助けを求めるという感じ」

【ゴウさん】
「失敗した話はこういう場でしか聞けないので同じ境遇の仲間とかがいるとやっぱり全然こう気持ち的に楽」

“特効薬”のない依存症ですが、仲間との“つながり”が回復するために重要と医師も話します。

【さがセレニティクリニック 山田幸子院長】
「ギャンブル依存症に対してこの薬が効きますよっていうものはもちろん存在しないわけで、回復していくなかで大事にしているのは人との“つながり”」

”つながり“が必要なのは依存症の当事者だけではありません。

【家族の会定例会】
「年金をもう息子に全部渡しました、すると3日で全部使ってしまい」

【家族の会定例会】
「年金をもう息子に全部渡しました、すると3日で全部使ってしまい今毎日の無心に困ってます」

ギャンブル依存症家族の会佐賀。月に1回家族会を開いていて、当事者の家族たちが自らの経験や悩みを打ち明けます。

【家族の会定例会】
「優しく言ったり、涙ながら言ったり怒って言ったり色々やったんですけど、通じ合えないんですよ、家族は家族でしか通じ合えないし、本人はその当事者の声だけはめちゃくちゃ響く」

【全国ギャンブル依存症家族の会理事 村田麿美さん】
「本人が本当に困らないと回復の道にはつながらない、そのためには家族が手を引く、これが苦しい」

6年前に家族の会佐賀を佐賀市に住む仲間と立ち上げた村田さんも愛する家族を突き放す辛さを経験した一人です。

【全国ギャンブル依存症家族の会理事 村田麿美さん】
「お金の使い方をちゃんと教えなかった私が悪いんだって思ってしまった。金銭感覚を養わなきゃいけないって思って金銭管理を始めました」

村田さんはギャンブルの資金目当てに家庭内で窃盗を繰り返す大学生の息子のお金を管理しますが…

【全国ギャンブル依存症家族の会理事 村田麿美さん】
「家族が集まる自助グループに私が初めて参加した時に“金銭管理も意味がないよ、まずは息子さん本人に責任を返さなきゃ”って言われました。」

ギャンブル依存症では家族や周囲の支援が逆効果になることもあると医師も話します。

【さがセレニティクリニック 山田幸子院長】
「借金を解決してあげるから2度とやりなさんなっていうふうにするのが実は1番良くない、まず専門のところに相談をすることが一番重要」

県によりますと1年間でギャンブル依存症が疑われる人が県内に1.2万人いるとされる中、病院の受診や相談窓口を利用した人はわずか160人あまり。人知れず悩みを抱える当事者や家族は少なくありません。

【全国ギャンブル依存症家族の会理事 村田麿美さん】
「家族の絆というのがすごく深くて強い、佐賀の人達って。だからこそ自分たちで何とか解決しなきゃ、そうして問題が長引く傾向があるのかな」

まずは当事者の家族が問題を抱え込まず、悩む仲間と“つながる”ことが解決への近道です。

【全国ギャンブル依存症家族の会理事 村田麿美さん】
「恥でもなんでもないわけだから家族は困ったなこれどういうことだろうと思ったときに必ず相談していただきたい」

回り道もあった村田さんですが、ようやく我が子の回復を今は実感しています。

【全国ギャンブル依存症家族の会理事 村田麿美さん】
「息子は自分がギャンブル依存症だっていうことを面接の時に伝えて、その経験は面白いなっていうことで、今社員として働いてる」

県は依存症に悩む本人、そして家族もまずは精神保健福祉センターまで電話を、と呼びかけています。

サガテレビ(2024年7月30日)

入所者のゴウさんが語る「人との接し方すらわからなくなった」という意味は痛いほど理解できます。私の場合は、妻に嘘をついてまでパチンコ・パチスロを打っていたので、嘘をついてお金を貰う後ろめたさや、借金が明るみになる度に謝るごとに、人との接し方に少しづつ変化が出てきました。

決定的だったのは、消費者金融などから借金ができなくなった後、友人や知人から借金をするようになった時です。やはり、どれだけ仲の良い友人だったとしても、その相手からお金を借りるという事は、どうしても人間関係が変わってしまうものです。

友人はそんなつもりじゃくても、こちら側が意識をしてしまったり、これまでとは変化が伴うのは当然です。たとえ、全額返済したとしても「困った時に助けてもらった」という恩は残ります。

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また、どんなに仲の良い友人でも「お金の貸し借りは絶対にやらない」というポリシーをもつ人は存在するわけで、私もその理由で何人もの友人・知人に断られたことがあります。本来はそれが当然であり、今の私のスタンスはお金は貸せないが、その申し込まれた瞬間であげれる分をあげるという風にしています。

友人や知人への借金で本当に恐いのは、その話が広まっていくことでした。勿論、他言無用にしてくれる人もいましたが、私からの借金を断った人でさえも、「●●から金貸してくれって電話きたよ…」と他の友人に伝わることもあったのです。

当然、借金の理由が「パチンコ絡み」ということは知らないわけですから、ある事ない事の尾ひれがついて、「借金を頼みまくってる危ない奴」というレッテルが貼られるわけです。勿論、きっかけをつくったのはこちら側ですから他人を責めることは筋違いです。

ですが、本当に悩んでいることは「金」のことではなく「パチンコ・パチスロがやめられない…」というギャンブル依存症なわけです。それが信頼できる友人に伝わらないのはもどかしくもあり、当時の私はギャンブル依存症という病気すら認識しておらず、他責の念が強かったことは否めません。

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そういった、日常的に嘘をついたり、謝ったり、人に頼みごとをしたりしている内に「人との接し方すらわからなくなった」というのが私の経験でもあります…。

MAXでパチンコ・パチスロにのめり込んいる時は、本当に常軌を逸していたことは間違いなく、最悪のケースではパチスロの某機種で天井手前で金がつき…私が走った場所は交番でした。お巡りさんに「財布を落として電車賃がありません…」と伝えると、その老年のお巡りさんは1,000円を貸してくれました。

恐らく、その交番には稀にそういった人間が訪れるのでしょう…全てを見通すような眼差しを私に向けながら「これは私個人が貸すお金だからね…」と、その言葉の響きは今でも脳裏に焼き付いています。私はその1,000円を握りしめながら、駅とは逆のパチンコ店へ走っていったのですから、冷静になって振り返っても異常な行動です。

翌日、借りた1,000円を返そうと交番に訪れると、老年のお巡りさんは常駐しており、少し驚いた様子ではありました。パチンコ店方面から嘘をついて金を借りにくる人間はいても、返す人間は稀だったのか、それとも翌日返済に驚いていたのか…

いずれにしても、どんなに金に困っても交番に借りにいったのは一生で一度きりです。それは、あの老年のお巡りさんの言葉の響きが、今では重く刻まれているからです。

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