北海道・日高の静内警察署は2024年5月14日、詐欺の疑いで浦河町に住む自営業の男(30)を逮捕したと発表しました。
男は2023年9月26日頃から12月2日頃までの間、札幌市中央区に住む会社役員の男性(49)に架空の馬の種付権利転売の話をもちかけ、合計2100万円をだまし取った疑いが持たれています。
警察によりますと、男は男性と知人関係で、「優秀な競走馬の遺伝子を持っている馬の種付権利を転売すれば、利益が出る」などと男性に儲け話を持ち掛け、手渡しや口座振り込みで、複数回にわたり合計2100万円を振り込ませたということです。
男はこれまでにも2024年1月4日から5回、同様の手口の詐欺容疑で逮捕されていて、今回の件についても被害に遭った男性からの届けを受け、逮捕に至ったということです。
調べに対し男は「お金をだまし取ったことに間違いない」と容疑を認めていて、だまし取った金は自分の競馬代やパチンコ代、他の詐欺事件の被害者への支払いの補填に使ったと話しているということです。
警察はほかに余罪がないか引き続き捜査を進めています。
STV NEWS(2024年5月14日)
他人から言葉巧みに2100万円もの大金を騙し取った知能犯。しかも、被害者は複数人もいることから、もっともらしい架空の話を巧みに操る詐欺師だったのでしょう。
そんな知能犯である容疑者は、何のために競馬やパチンコというギャンブルをやっていたのでしょうか。被害者からだまし取った金をマネーロンダリングするために、競馬やパチンコを使ったのか、それとも、その金を元手に競馬やパチンコで増やそうとしていたのか。
仮に、容疑者が競馬やパチンコでは負けることが多く、大きな損失をしていたのであれば、「複数の人間から数千万円の金を騙し取るより、競馬やパチンコで勝つことの方が難しい」ということになるでしょう。
個人的な見解を挙げるならば、容疑者はギャンブル依存症を患っている可能性が極めて高いと思います。というのも、パチンコなどにのめり込み、ギャンブル依存症を患うと、借金を重ね、家族など周囲の人間に繰り返し嘘をつくようになります。
パチンコのための金の工面や時間の確保のために日常的に平気で嘘を繰り返し、嘘をつく後ろめたさや罪悪感は薄れていきます。その成れの果てが詐欺師になるなんてことは何ら不思議ではありません。
それほどギャンブル依存症は恐ろしい病気であるともいえます。さらに、パチンコ・パチスロユーザーの多くは「自分はそんな病気にはかからない」と信じ込んでいることも、この病気の恐ろしさでもあるのです。
さらに言うならば、社会問題であるギャンブル依存症の実態をよく知っているはずのパチンコ業界などが、ギャンブル依存症対策基本法に則した対策を何ら施しもせず、射幸性だけを高めてユーザーから金を搾取していること事態が問題であり、ついには本件のような詐欺事件にも発展すると考えます。
ギャンブル依存症対策基本法にも「ギャンブル依存症と犯罪は密接に関連している」と明記されています。これまで起きたパチンコ関連事件をみても、このままギャンブル大国の日本であっていいのか、と問いかけられているように感じてなりません。
容疑者が刑務所に服役するならば、罪を償い、ギャンブル依存症診断を受け、ギャンブル依存症について学び、今度はこの病気で悩む人たちを助ける側になる事が本当の再起に繋がると思います。
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