2024年1月9日、山陽新聞の報道です。
岡山南署で昨秋、事件の証拠品として保管していた多額の現金の紛失が発覚した事件で、岡山県警は9日、署内の保管庫から現金20万円を盗んだなどとして、窃盗、業務上横領などの疑いで同署巡査長の男(31)=広島県福山市=を逮捕した。
県警によると、巡査長は「金はパチンコやスロットに使った」と容疑を認めている。保管庫からは約320万円が紛失しており、残る約300万円についても関連を調べる。
逮捕容疑は2023年7月21日午前6時半ごろ、岡山南署内の保管庫から20万円を盗んだほか、同5月、当時入居していた警察官舎の管理人として官舎名義の口座から2回で計7万5千円を引き出し着服するなどした疑い。
昨年10月下旬、岡山南署員らが証拠品を点検した際、現金の紛失に気が付いた。河合弘文首席監察官は「警察官として言語道断の行為で深くおわび申し上げる。全容解明を図り、厳正に対処したい」とのコメントを出した。
山陽新聞
パチンコやパチスロを打ちたいが為に犯罪に手を染めてしまう…。
容疑者もまたギャンブル依存症の疑いが強いと思われます。
どんな社会的地位や立場にいる人間だとしても、一度ギャンブル依存症という病理に蝕まれてしまえば、使命感や責任感で回避することは極めて困難です。
だからこそ、ギャンブル依存症は精神疾患に位置付けられる病気とされているのです。
「自分に弱いだけ」「自己管理ができていないだけ」「パチンカス」という、あまりにも思慮深くないエビデンスもない言葉で片づけられてしまうのであれば、日本国においても公的保険適用の病気に認定されることもないでしょう。
それでもパチンコ・パチスロに1ミリも関係の無い人たちが社会保険料を納めているのがバカバカしいと思うはずです。
ギャンブル依存症について重篤な病気であるという医学的根拠があり、厚生労働省調べで国内に320万人のギャンブル依存症者がいる実態を重く受け止めた国家が、法律制定と公的保険適用を決定しているのです。
また、本事件のようなパチンコ関連事件は枚挙に暇がなく、市民の安全を守るためにもギャンブル依存症対策は急務なのです。
しかしながら、日本で唯一、公営ギャンブル以外で暗黙の内に許されているパチンコ・パチスロは、民間会社が運営しているだけに、管轄の警察庁が規制をかけても、その抜け道をくぐり抜けてユーザーに壊滅的損害を与えるようなシステムを作り続けています。
パチンコ業界は沈みゆく船の座席争いをしており、ユーザーがギャンブルによって破滅しようが知ったこっちゃないという考えなのでしょう。
ギャンブル依存症対策基本法の事業者の責務などは放棄しているとさえ思えます。
そんなパチンコ・パチスロの餌食になったのが、本事件の容疑者でもあると考えます。
容疑者は罪を償い、ギャンブル依存症対策回復プログラムを受けることを推奨します。
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