2023年9月7日、MBSNewsの報道です。
※報道では実名表記ですが当サイトではイニシャルに変更しています。
母親が自宅に火をつけて20歳の息子死亡「責任を被告のみに負わせるのは相当ではない」
夫婦喧嘩の末、自宅に火をつけて息子を死亡させた罪に問われた母親に有罪判決が言い渡されました。
判決によりますと、和歌山市の無職・M被告(50)は今年1月、自宅の1階で夫が灯油をまいたクッションに火をつけて自宅を全焼させ、2階にいた息子のRさん(当時20)を死亡させました。
これまでの裁判で検察側は「息子の死亡を故意に招いてはいないが一人の命が奪われ結果は重大」として懲役4年を求刑していました。
判決で、和歌山地裁は「犯行は極めて危険」とした一方、「夫がパチンコ代を無心したことで口論となり、さらに放火をあおったことも考慮すると、責任を被告のみに負わせるのは相当ではない」などとして、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。
MBSNews
パチンコが起因となる夫婦喧嘩の末、何の関係もない実の子供が犠牲となる痛ましい事件です。
自宅の1階に灯油をまき放火、2階にいた夫婦の息子であるRさんは燃え盛る火から逃れることはできなかったようです。
火をつけたのは母親のM被告のようですが、その行動を煽ったのは父親のようです。
夫婦喧嘩の原因は、その父親による「パチンコ代の無心」とされています。
パチンコ・パチスロ依存症者ならば、パチンコ代を無心し、それが叶わなかった時にどんな言葉を発したり、どんな行動を起こすかは想像できるかと思います。
ギャンブル依存症者特有の常軌を逸した言動…
脳内ではその衝動と欲望が断たれた絶望により、理性はほとんど効かなくなります。
「パチンコが打ちたい」「パチスロが打ちたい」
何としても、その欲望を果たそうと、本能のままにあらゆる言動を起こします。
被告である母親は、推定パチンコ依存症者である夫のそんな言動に混乱したのではないでしょうか?
また、父親がパチンコ依存症者であるならば、「パチンコ代の無心」は今に始まったことではなかったと推測できます。
度重なる「パチンコ代の無心」、度重なる夫婦喧嘩、被告である母親はそういった継続的な精神的負担によって混乱した可能性も考えれます。
普通の人ならば、なぜそこまでパチンコにハマるのか、なぜ、家庭を壊してまで、貧困になるまで、借金をしてまでと思うのでしょうが、これがパチンコ依存症の実態であり恐ろしさなのです。
そして、このパチンコ依存症者はパチンコ遊技人口720万人とした時に、遊技者の3人に1人以上という推計データもあるほどなのです。
厚生労働省調べで国内のギャンブル依存症者が320万人とされており、ジャンル別ではパチンコ・パチスロがその内8割以上、つまり、200万人以上がパチンコ依存症者ということです。
これほどの人数であるからこそ、連日パチンコ関連事件が報道されるし、2018年にギャンブル依存症対策基本法施行、2020年ギャンブル依存症公的保険適用となったのです。
多くの国民にとっては関係のない「パチンコ・パチスロ」。
しかし、この社会問題の闇は関係の無い国民にまでも忍び寄っているのです。
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