ボナンザ事件 遠隔操作や出玉操作はあるのか否か【ギャンブル依存症体験記 第43話】

https://ganbulingaddiction.com/2021/12/04/story43/依存症体験記

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【前回の内容はこちら↓】

パチンコ・パチスロに対して、パチンコ店は遠隔操作や出玉調整をしているか否かという議論。多くのユーザーが有るとも無いとも両方の意見がある。

事実だけ取り上げるならば、2007年7月25日、神奈川県横浜市JR横浜駅西口のパーラー「ボナンザ」がパチンコ機の出玉を遠隔操作できるソフトを開発して取り付けたとして、神奈川県警察本部生活保安課によって、風営法違反(構造設備の無承認変更)の疑いで経営者が逮捕されている。また、同店は摘発後すぐに廃業届を行政に提出し閉店している。

つまり、技術的には可能であり「遠隔操作や出玉調整はやろうと思えばできる」という事である。

ただし、上記の事件のように摘発されれば廃業に追い込まれるリスクもあり、業界人や遠隔否定論者によると「そんなリスクを負ってまで遠隔操作や出玉調整はやらない」という。また、上記の通称ボナンザ事件の背景としては、パチンコ業界の中では弱小店舗であり、日頃から集客が出来ないことに悩んだ経営者が集客のために大当たりが操作できる細工をしたという事である。

このボナンザ事件と逮捕された経営者の動機だけを切り取れば、「客が不利になるような操作ではなく客を使って出玉をアピールするための操作」と解釈できる。現在でもYouTubeなどでボナンザ事件のニュース映像が観れるが、その報道でも不正ではあるが客が不利益を被ったようなニュアンスではない。

一方で遠隔や出玉操作は有ると主張するパチンコ・パチスロユーザーの意見を聞くと、民放番組にはスポンサー配慮があり、当時の民放にはパチンコ業界が多額の広告費を払っていたため、あえて客が不利益を被るような操作ではないように報道しているという。

また、パチンコ業界は政治家に多額の献金をしていたり、警察官僚がパチンコ関連企業に天下る事例から大きな圧力があり、客が不利益を被る(マナーが悪い客には大当たりをさせないなど)遠隔操作や出玉操作の事実は闇に葬られていると主張する。

私が思うところは、このボナンザ事件がどうやって摘発に至ったかということだ。客がおかしいと気づき警察に通報して捜査が入ったのか、あるいは従業員の告発によって捜査が入ったのか。前者だとするなら、余程の証拠があったのだと考える。なぜなら、警察は民事不介入が原則であり、刑事事件として捜査するには余程の証拠がないと動けないからだ。

複数人の客が「あのパチンコ店はおかしい」と苦情を入れたところで警察がすぐに動くとは考えにくい。また、私もパチンコ店に出入していた頃に何度か経験しているのだが、不正と思った客が警察を呼ぶことは稀にある。しかし、そういった時の警察の対応を見ると、事情聴取だけで直ぐにパチンコ店の事務所の中を捜査したり、台を開いて調査するという事は一度もなかった。

確かに、警察も一々そういった通報で捜査するほど暇ではなく、パチンコ店といっても民間の企業であるから営業妨害にならないよう配慮もするのだろう。

そういった視点から見るならば、ボナンザ事件は内部告発によって摘発されたのではないかと思っている。遠隔に関与した関係者かあるいは従業員かである。そういった人物が証拠をもって警察に告発した為に捜査が開始されて、主犯格である経営者が逮捕されたという流れだ。

以上のことをまとめると、
①遠隔操作や出玉操作は技術的には可能
②パチンコ・パチスロユーザーには遠隔操作や出玉操作の有無の両意見がある。
③過去に遠隔操作で摘発されたパチンコ店が存在する
④パチンコ業界は一部の権力と結びついている
⑤証拠がある内部告発でしか摘発はされない可能性が高い

私がギャンブル依存症者として晩年に感じていたことは、万が一パチンコ店が遠隔操作や出玉操作をしていたとしても、それは店長や一店員が知れるところではないという事だ。刑事罰に課せられるかもしれない程の不正に関与してまで会社に尽くす従業員などいない。どんなに忠誠を誓った人間でも、何かの拍子で裏切ることなど枚挙に暇がない。

そして、私が出した最終的な答えは、そういったはっきりとしないパチンコ・パチスロから離れることが最良な選択であるということだった。

依存症体験記
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