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パチンコ・パチスロといえば、これまで多くのアニメタイアップ機が世に出てきた。
私が初めて打ったアニメタイアップ機は、記憶が定かではないが、恐らく4号機のパチスロ「北斗の拳」であったと思う。
原作を知っているだけに、演出の展開により熱くなり、のめり込んでいた。
この機種には1週間で40万円負けたという苦い思い出がある。
北斗の拳は好きなアニメであったが、パチスロをすればするほど、キャラクターに対しての憎き感情が芽生えていった。
パチンコ・パチスロ関連の動画でも「ケンシロウは雑魚」というフレーズを度々、聴く事があったが、掘り起こせばそれは初代からだったのだ。
タイアップではあるものの、アニメのようにハッピーな展開にならないギャンブルをしている事は、重々承知しているが、思い通りに行く確率が低いパチンコ・パチスロでは、やはり何とも言えない感情を抱いてしまうのだ。
ケンシロウならともかく、リンやバットという青少年キャラクターに対しても、
「くそが!」
という感情を抱かせるのだから、原作者はどう感じているのだろう。
一方で、ドラゴンボールの原作者である鳥山明先生は、何度もメーカーからタイアップの話を持ちかけられたが、子供たちの夢を壊したくないとの理由で断ってきたと聞いたことがある。
その話には感銘をうけた。
ドラゴンボールがパチンコ・パチスロになれば、きっと多くのユーザーが打ち込むだろう。
話題性だけで北斗の拳と並ぶのではないだろうか。
原作者としても、相当な印税が入ることも想像できる。
しかし、パチンコ業界の商業ベースに乗らず、どこまでも、ドラゴンボールファンを大切にする、その原作者・鳥山先生の考え方に感銘を受けたのだ。
鳥山先生はもしかしたら、このパチンコ・パチスロというものが、楽しむ人たちよりも、圧倒的に苦しむ人たちが多いという事を知ってるのではないかとさえ思った。
今まで世に出たタイアップ機の中には、原作者がパチンコ業界をよく知らず契約したケースだってあるかもしれない。
あるいは、原作に影響するほどの「利用」だってあったかもしれない。
好きだったアニメのキャラクターが揶揄され、液晶に正拳が打ち込まれ、ついにはタバコの火が押し付けられる。
究極的には、そのタイアップ機種によって人生が終わることすらある。
そこには、本来の目的である子供たちに描いた夢などない。
これから、パチンコ業界とタイアップする漫画家やアーティストの方がいたら、鳥山明先生の事例を参考に、パチンコ業界のこと、打ち手であるユーザーの取り巻く状況を知った上で決断される事を願ってやまない。
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