2023年4月12日、神奈川新聞の報道です。
神奈川県横須賀市田浦泉町の住宅で、無職の男性(75)と妻(72)の遺体が見つかり、同居の長男で無職の男(46)が殺人容疑で逮捕された事件で、男が、動機について「親を恨んでいた」とする趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、男は社会になじめないことを悩み、「生活がこうなったのは親のせいだ」などと話しているという。男はパチンコに金を使い、借金をしたこともあり、ひきこもりがちな生活だったという。
神奈川新聞
容疑者はきっと孤立した生活を送っていたのだと推察します。パチンコ・パチスロというギャンブルは煩わしい現実社会から逃避できる側面があり、誰ともコミュニケーションを取らずとも機械を相手に時間を過ごすことができます。
社会的に孤立したり、人間関係が苦手で孤独になりがちな人がハマりやすいギャンブルでもあり、むしろパチンコ業界はそういった社会的マイノリティの人たちの弱みにつけ込んでいる感は否めません。
そして、知らず知らずのうちにパチンコ依存症となってしまい、パチンコから抜け出せなくなっていく。
パチンコ依存症は「孤独の病気」「否認の病気」とも言われており、自覚症状がなく誰にもその悩みを打ち明けられずに深みにハマっていきます。
これは推測に過ぎませんが、容疑者の家庭内でもパチンコについて問題になっていた可能性は十分考えられます。被害にあった両親は容疑者が働かずに借金をしてまでパチンコにのめり込んでいた事を咎めていた可能性はあります。
これは正常な感覚であり、自分の子供が働かずに借金をしてまでパチンコにのめり込み、例えば子供から金を無心されれば咎めることが普通でしょう。
しかしながら、ギャンブル依存症(パチンコ依存症)は病気であり、当事者は精神疾患に罹患しており、正常な判断ができない状態なのです。重度のギャンブル依存症ともなれば犯罪をしてまでパチンコをするための資金を調達しようとします。
それは連日報道されているパチンコ関連事件からも分かることであり、ギャンブル依存症対策基本法にも「ギャンブル依存症と犯罪は密接に関連している」と明記されているとおりです。
2017年からギャンブル依存症対策基本法が施行され、国民にギャンブル依存症についての啓発運動が進められていますが、この病気を理解できない人もいるのが現実です。
「本人の意思が弱いだけ」「自分に甘いだけ」「自己管理ができないだけ」と否定されてしまう現実です。
容疑者がもしギャンブル依存症(パチンコ依存症)に罹患していたのならば、そういった事も引き金になり犯行に及んだ可能性も考えられます。
ギャンブル依存症者が苦しむ事の一つとして、ギャンブルがやめられない事で自分を責めると同時に、そういう性格になってしまった親の育て方の責任という責任転嫁に陥ることです。
この報道をみて、世の中でほとんど大切でないパチンコをやって、この世で一番大切な両親を殺めてしまったのかと思うと胸が痛むばかりです…。
昨今の荒れ狂う日本国において、秩序の番人である検察庁が悪の巣窟を全身全霊で叩き壊してくれることを願ってやみません。
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