2019年に横浜市鶴見区の自宅で当時3歳だった長女に高温のシャワーをかけて重いやけどをさせたとして、傷害の罪に問われている母親の裁判で、検察側が懲役3年を求刑しました。
起訴状などによりますと、元飲食店従業員のH被告は2019年3月、横浜市鶴見区の自宅アパートの浴室で当時3歳の長女の背中に高温のシャワーをかける暴行を加え、全治3カ月の重いやけどを負わせた傷害の罪に問われています。
裁判では長女のやけどは、5歳だった長男と子どもだけでシャワーを浴びている時に負ったものだとして起訴内容を否認しています。
24日の裁判で検察側は、「医師の鑑定から、長女のやけどは少なくとも数十秒間にわたって高温のシャワーを浴びせられたものだが、逃避行動の痕跡がない」と説明。
「長女は物理的あるいは心理的に動けない状態でシャワーを浴びせられたものと推認でき、そのような行為が可能であったのは被告以外には考えられない」「冷酷で卑劣な犯罪だ」と指摘し、H被告に懲役3年を求刑しました。一方弁護側はシャワーがかかった時間は長くても10秒ほどで、H被告が熱湯をかけた事実はなく、「検察側の証拠は、被告人の故意による犯行と立証するものとは認められない」として、無罪を主張しました。
最後に裁判長から発言を求められた被告は、「娘がやけどを負ったにも関わらず病院に連れて行かなかったことは本当に申し訳ないと思っています。ですが私はシャワーで高温のお湯はかけてはいません。やってもいないことで1年2カ月も拘留され本当に辛かった」と述べました。
判決は6月25日に言い渡される予定です。
H被告は事件の後パチンコ店に出かけるため、やけどをした長女にラップを巻いて自宅に放置したとして、保護責任者遺棄の罪で2019年に懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を受けていました。
テレビ神奈川(2024年5月24日)
※報道では実名表記ですが当サイトではイニシャルに変更しています。
【事件当時の報道】
我が子がやけどを負ったにもかかわらず、パチンコ店へ出かけるためラップを巻いて放置した罪については、既に保護責任者遺棄の罪で2019年に懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を受けていました。
この度の裁判は「そのやけど」が母親による故意のもの(傷害の罪)かどうかが問われたようです。
事件当時の報道内容を見返しましたが、被害者の兄である長男(当時5歳)のSOSから事件が発覚した経緯など、胸が痛くなるような許しがたい事件です。
ギャンブル依存症対策基本法には「ギャンブル依存症と虐待は密接に関連している」と明記されており、こういった事例が過去に多く存在していることが読み取れます。
ギャンブル依存症は自分のみならず、家族など大切な人をも巻き込んでしまう苦しみが深い病気です。被告の当時の経済状態やパチンコをする頻度など、総合的に見なければギャンブル依存症を患っているかは判断できないものと思いますが、少なくとも、やけどを負った幼い子どもを放置してパチンコ店へ行ってしまう状態は、危険領域に入っているのではないでしょうか…。
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