群馬県太田市で、当時4歳の横山ゆかりちゃんが行方不明になってから28年となる7日、警察はチラシを配るなどして、あらためて情報提供を呼びかけました。
この事件は1996年7月、横山ゆかりちゃんが、両親と訪れていた太田市内のパチンコ店で行方不明になったもので、警察は誘拐事件として捜査していますが、未解決のままです。
事件から28年となる7日、警察は市内のショッピングモールでチラシを配ったほか、現場のパチンコ店の防犯カメラの映像を流すなどして情報提供を呼びかけました。
群馬県警 田村正男刑事部長
「今のところ残念ながら(ゆかりさんの)発見・解決に至っていない。事件解決に向けて捜査を推進していく」この事件では、有力な情報への懸賞金が今月から引き上げられ、最大700万円が支払われることになっています。
日テレNEWS NNN(2024年7月7日)
事件の概要
太田市パチンコ店女児失踪事件は、1996年(平成8年)7月7日に群馬県太田市のパチンコ店で起きた女児の失踪事件。捜査には重要参考人として1人の不審な男性が浮上しており、誘拐事件としても考えられている。群馬県警察による事件の正式名称は太田市高林東町地内パチンコ店における幼女略取誘拐容疑事件。
事件当日は日曜日で、太田市に住む当時4歳の女児(以下Y)が両親と共に午前10時30分頃にパチンコ店に来店した。Yは父に景品の花火が欲しいといい、父は花火を手に入れるためにパチンコに躍起になってしまった。Yは両親がパチンコを始めると店内を無邪気に歩き回ったが、母の忠告で店外には出ないように言われていた。午後1時30分頃にYが母に「〜のおじちゃんがいるよ」と言った。この時母はついて行かないように言ったという。この時がYの存在が確認された最後であった。その10分ほどの後、母が父のところに駆け寄りYがいなくなっていたことが判明した。
太田市パチンコ店女児失踪事件 – Wikipedia
同一犯による連続事件の可能性
足利事件で無期懲役判決を受けた男性の支援者らが、男性の無実を訴えていたホームページにおいて、遅くとも2001年(平成13年)5月12日の時点で「群馬・栃木県境の未解決幼女殺害・失踪事件地図」という項がもうけられ、「群馬・栃木の県境で起きた他4件の誘拐殺人事件及び1996年(平成8年)に起きた太田市の女児連れ去り事件は連続事件なのではないか」いう観点からの検証がなされていた。
その後、日本テレビの報道特別番組『ACTION』や『バンキシャ!』でも、記者の清水潔が「4件の誘拐殺人事件に加え、1996年(平成8年)に起きた太田市の女児連れ去り事件は連続事件なのではないか」とする観点から、2007年(平成19年)1月から報道を続けている。
同番組では、足利事件の被疑者とされていた男性が1991年(平成3年)に逮捕されて身柄拘束中であるにもかかわらず、その5年後に類似事件である「太田市パチンコ店女児連れ去り事件」が発生したことから、「足利事件の解決」が不自然であるとし服役中の男性は冤罪の可能性があるとしてキャンペーン報道を展開。
DNA型再鑑定の必要性を訴え続け、再鑑定が実施されたところ真犯人と男性のDNA型は一致せず釈放となった。2010年(平成22年)3月に再審により、男性の無罪が確定した。
2010年(平成22年)、足利事件の検証を行った最高検察庁は、足利事件を含む北関東で起きた事件が同一犯による連続事件の可能性を認めた。
北関東連続幼女誘拐殺人事件 – Wikipedia
パチンコ店の防犯映像
考察
この誘拐事件が起きたのは、今から28年前の1996年7月7日(日)。奇しくも2024年7月7日も日曜日ということからか、多くのメディアでは風化防止、情報提供のために一斉に報道がなされました。
群馬警察公式チャンネルの動画を観ると、「重要参考人」とされている男の映像が確認できます。パチンコ・パチスロユーザーならば、このパチンコ店での男の動きに違和感を覚えると思います。
報道でも指摘されていますが、男はパチンコ台に目もくれず、不自然に店内を歩き回っています。一連の男の行動の中で、まずパチンコ台の釘を一切見ようともせず、映像からは設置がされているかは見えませんが、パチンコ台データ機のチェックも行っていません。
さらにいえば、店内を歩行中、他の客が打っているパチンコ台の後ろ通り過ぎる時に、床に置かれたドル箱を蹴飛ばしそうになってる場面もあり、パチンコ店内を歩くことに慣れていない可能性も考えられます。つまり、男はパチンコ店に頻繁に訪れる人間ではなく、他の目的のために稀にパチンコ店を訪れる人間であることが考えられます。
北関東連続幼女誘拐殺人事件 – Wikipedia に掲載されている、類似事件を見ますと、1984年(昭和59年)に栃木県足利市のパチンコ店から5歳女児が行方不明となり、その2年後に白骨死体として発見されています。
また、1990年(平成2年)には栃木県足利市のパチンコ店から4歳女児がパチンコ店から行方不明となり、翌日に遺体となって発見されています。
「足利事件の検証を行った最高検察庁は、足利事件を含む北関東で起きた事件が同一犯による連続事件の可能性を認めた。」とありますので、重要参考人の男が犯人であるならば、「パチンコ店は犯行の再現性可能な場所」との認識から、稀に訪れる場所だったのかもしれません。
あるいは、この一連の事件が同一犯ではない可能性を取るならば、過去2事件が未解決になっていることを知った重要参考人が、「パチンコ店は目的を遂行できる場所」という認識で訪れた可能性も考えられるのではないでしょうか…。つまりは、過去の未解決2事件を模倣して行ったということです。
いずれもパチンコ店内にいる女児を狙った犯行であり、身代金目的ではなく躊躇なく殺害に及び死体を遺棄していることから、同一犯による連続事件の可能性を認めているのでしょうが、唯一違いがあるのは、横山ゆかりちゃんだけは遺体が発見されておらず、行方不明のままになっていることです。
この違いはとても大きいと思うのですがどうなのでしょうか…いずれ誰かに発見されそうな河川敷に遺棄する犯人が、横山ゆかりちゃんだけは特別な扱いをするということを、同一犯がするものなのでしょうか。同一犯とした場合、過去の2事件は少なくとも未解決という、犯人からすれば完全犯罪が成立しているわけです。その成功事例を踏襲しない特別な理由があったのでしょうか。
別の報道では、重要参考人がパチンコ店を出た10分後に、横山ゆかりちゃんがパチンコ店から出る映像が残されているという話もあります。これについて、重要参考人が犯人ではない説もあるようですが、私はこの重要参考人が横山ゆかりちゃんを連れ去った男だと思います。
映像では男と横山ゆかりちゃんがソファーに座りながら会話している様子が映し出されてますが、例えば「おじさんと隠れんぼしよう。おじさんを見つけたら花火をあげるよ」「外に隠れているから、しばらくしたら探しにきてね」「おじさんを見つけらた子は今までにいないよ」などの言葉をかければ、4歳の子供であれば、「かくれんぼ」という身近にある遊びに興味を抱き、欲しかった花火まで貰えるかもしれないという欲求を刺激されると思います。
幼い子どもにとって、一緒に遊んでくれる大人は良い人なのだと認識するはずです。どんな家庭でも普段から「知らない人について行ってはダメよ」と再三注意することはあっても、「知らない人と遊んではダメよ」と注意することは稀だと思うのです。
子供にとっては、その違いの意味が理解できないでしょう。横山ゆかりちゃんにとっても、知らないおじさんについて行ったのではなく、「かくれんぼの遊びをしに行った」「隠れているおじさんを見つけにいった」という事なのだと推測します。
仮に、こういったやり取りがあり、外の駐車場などで男が待機していて、横山ゆかりちゃんをおびき寄せるように自分の車に押し込めて連れ去ることは可能だったのではないでしょうか。
私が過去の2事件とは同一犯ではない、いや、同一犯であってほしくないと思うのは、まだ見つかっていない横山ゆかりちゃんの生存の可能性を信じたい思いがあるからです。仮に、同一犯であったとしても横山ゆかりちゃんにだけは手をかけなかった理由があったと。
映像からは重要参考人の推定年齢が30代~50代とされていますが、その当時でも日曜日にニッカポッカを履く30代~40代はいないと思うと同時に、ガニ股の影響で歩行に多少の難がある感じからしても、50代以上の年齢に感じます。男が当時50歳だとしても現在78歳という後期高齢者です。
パチンコ店内をタバコを吸いながら歩く姿が印象的ですが、映像に映っている短時間でも数本のタバコを吸っていることから、かなりのヘビースモーカーであることも推測され、当時の姿からも決して健康的に見えない男は、もうこの世に存在していないのではないでしょうか…。
とともに、横山ゆかりちゃんの遺体が見つかっていないことから、男は横山ゆかりちゃんを誰かに預けた、あるいは、これは可能性が低いかもしれませんが、誘拐から数年後に児童養護施設に預けたということはないでしょうか。4歳の子供であれば数年で顔つきや体形は変わります。
行方不明写真も4歳児のままですから、それと照らし合わそうとすれば、先入観で気づかないこともあるかもしれません。
私は32歳になった横山ゆかりさんがどこかで生きているように思うのです。28年という途方もない時間をご両親は胸が張り裂ける思いで探していたはずです。ご両親は自らを責める気持ちもあったかもしれません。ですが、その強い思いは必ず横山ゆかりさんに届き、幸せに包まれ生きていると信じて疑いありません。
横山ゆかりさんとご両親がもう一度再会する日を願いつつ。
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