パチンコ店で火災想定の防災訓練 100人が消火や避難誘導の手順確認 大分
大分市のパチンコ店で火災を想定した防災訓練が行われ、万一の際の避難手順や初期消火の方法を確認しました。
この訓練は2001年に大分市内で起きたパチンコ店での放火事件を教訓に県遊技業協同組合と大分市消防局が合同で実施しました。
6年ぶりとなった5日の訓練にはおよそ100人が参加。1階正面ホール付近に灯油が撒かれて火災が起きた想定で、119番通報や初期消火の方法のほか、避難誘導の手順を確認しました。このあと、参加者は消防士の指導のもと、実際に消火器やAEDの使用方法について学びました。
県内では去年パチンコ関連施設で火災が1件発生していて、県遊技業協同組合は「訓練を通じて、防火意識を高めていきたい」としています。
BS大分放送(2024年3月5日)
パチンコの組合が防災訓練を行ったという報道です。
この訓練は『2001年に大分市内で起きたパチンコ店での放火事件を教訓に』という事ですが、2001年という時代に着目すると一つの背景が見えてきます。
2001年はパチスロ4号機があった時代であり、パチスロの射幸性がとてつもなく上がっていた頃です。
そのパチスロが原因でパチンコ店のトイレで自ら命を絶った人もいるほどで、多重債務をしてまでパチスロにのめり込む人が多くいた時代でもあるのです。
この数年後には事態を重く見た警察庁によってパチスロに規制が入り、5号機へと移っていきます。
現在でもパチンコ関連事件が多発していますが、規制緩和された『スマスロ』が登場してからパチンコ関連事件は増加傾向にあると思われます…。
つまり、今から23年前の『2001年に大分市内で起きたパチンコ店での放火事件を教訓に』という文言が出てくる程、現在がその頃の背景に重なって見える状況なのではないでしょうか。
大金をスマスロに注ぎ込み、大金を得るか大金を失うかの娯楽の範疇を超えたギャンブルにパチンコ業界自体が、その副作用に危機感を抱いているということです。
2001年と今では総量規制によって借金ができる額は制限されていますが、ギャンブル依存症者にとってはそれが抑止になるとは限らず、パチンコ・パチスロが打ちたいが為に闇金に手を出してしまったり、犯罪に手を染めてしまうことは度々起こります。
そして、この防災訓練の『1階正面ホール付近に灯油が撒かれて火災が起きた想定』という事態が起きても何ら不識議ではありません。
ギャンブル依存症を公的保険適用としたり、ギャンブル依存症対策基本法を制定したりと社会問題としている一方、パチンコ業界の規制が緩和され一部の企業が儲かっている「いびつな構造」に政治が強く介入することは難しいのでしょうか…。
コメント