パチンコホールを運営する企業が2023年に発表した「2022年度の売上高」となります。
順位 | 法人名 | 屋号 | 売上高 | 前年比 | 店数 |
1 | (株)マルハン | マルハン | 1兆3196億 | 3% | 310 |
2 | (株)ダイナム | ダイナム | 4643億 | 0.1% | 397 |
3 | NEXUS(株) | D’STATION | 3072億 | 20% | 67 |
4 | (株)延田エンタープライズ | 123 | 2374億 | 5% | 65 |
5 | アンダーツリー(株) | キコーナ | 2269億 | 31% | 125 |
6 | (株)ガイア | ガイア | 1895億 | -3.6% | 94 |
7 | (株)キング観光 | キング観光 | 1670億 | 12% | 25 |
8 | 浜友観光(株) | 楽園 | 1600億 | 6% | 25 |
9 | (株)善都 | ZENT | 1581億 | 6% | 24 |
10 | (株)遊楽 | ガーデン | 1250億 | – | 27 |
11 | (株)ベガスベガス | ベガスベガス | 1248億 | 8% | 38 |
12 | (株)安田屋 | やすだ | 1226億 | 12% | 23 |
13 | (株)ニラク | ニラク | 1198億 | 10.9% | 47 |
14 | (株)ABC | ABC | 1136億 | 4.7% | 34 |
15 | 日拓リアルエステート(株) | エスパス | 1109億 | 7% | 15 |
16 | パラッツォ東京プラザグループ | パラッツォ | 994億 | 22% | 24 |
17 | (株)オザム | トワーズ | 683億 | -23% | 30 |
18 | (株)タイラベストビート | ワンダーランド | 不明 | 不明 | 38 |
19 | (株)一六商事東日本 | MGM・ロイヤル | 不明 | 不明 | 37 |
20 | (株)成通 | ハリウッド | 不明 | 不明 | 39 |
2020年はコロナ禍もあって、多くのパチンコホールが赤字計上をしていましたが、2021年はパチンコホールグループによって明暗が分かれる形となりました。
そして、2022年は多くのパチンコホールグループが復調を見せ、これまでの売上高ランキングの順位を逆転させる現象も起こりました。
一方、上位20社の中で売上高を前年比よりプラスに転じられなかったのは、『ガイア』『オザム』の2社になります。
既にご存知のように、ガイアグループは民事再生法の申請を提出しており、現状はガイアの屋号でパチンコホールが営業していますが、今後の展開についてはどうなるかは不明です。
また、トワーズの屋号でパチンコホールを運営する(株)オザムの動向にも注視する必要があるでしょう…。
(株)タイラベストビート、(株)一六商事東日本、(株)成通の3社については、2022年の売上高が公開されておらず確認ができませんでした。※2023年12月4日現在
酷いところですと、数年前の売上高から更新されていないので、そこから推察できるのはパチンコ事業が上手くいっていないであろうということです。
というのも、上記の20社の中には昨年は売上高を公開していなかったのに、今年は公開している企業もあり、やはりマイナスプロモーションはしたくない心理が働いているのだと考えられます。
上位20社のほとんどは自社のホームページ上で売上高を公開しているので、パチンコ業界にありがちな暗黙のルールでもないのでしょう…
これとは別の角度で「これは酷いな」と思ったのは、求人サイトなどに随分と昔の売上高を載せているパチンコ企業などもあり、それはやり過ぎという感は否めません。
いずれにしても、ガイア倒産のこともありましたので、自社のホームページで最新の売上高を公表していないパチンコ企業は注視する必要があるかと思います。
2023年も全国でパチンコホールの閉店ラッシュが継続しており、特に中小規模のパチンコ店や低貸し専門のパチンコ店は激減しています。
パチンコホールがこれまで対応に追われた、スマスロ機のユニットと実機の設置、スマパチのユニットと実機の設置がひと段落したようですが、新台として続々登場する50万円~する機械はヒット作品が少いとされています。
また、今後は新紙幣対応の設備機器を準備しなければならず、設備投資が続きます。
さらに、特殊景品に使われている「金」の高騰によって、対応に追われている地域などもあるようで、様々な要因からパチンコ業界に見切りをつけ、今年何十社もの企業が倒産や事業撤退を決断したように、来年もその傾向は増加すると予測できます。
パチンコ業界においては規制と緩和の繰り返しで、何とか業界が保たれてきたようですが、昔と今で確実に違うことは、『ギャンブル依存症対策基本法の制定』『ギャンブル依存症の公的保険適用』の2点があることです。
ギャンブル依存症対策基本法には「ぱちんこ」がギャンブルと定義づけられており、ギャンブルであるパチンコ・パチスロによってギャンブル依存症を患えば、3割の負担で専門病院での治療を受けられることになったわけです。
つまりは、7割はパチンコ・パチスロにまったく関係のない国民が社会保険料として納めている税金から負担していることになるのです。
これまでの「自己責任論」は破綻し、法律にも「国民の責務」という文言があり、さらには自ら納めている税金がパチンコ業界が生み出した負の部分に充てられているという事になれば、国民はパチンコ業界の在り方について、厳しい意見を突きつけても良いのではないでしょうか。
ちなみに、厚生労働省調べでは国内には320万人のギャンブル依存症者がおり、ギャンブルのジャンル別では8割以上がパチンコ・パチスロに分類されるのです。
公営ギャンブルよりも遥かに多いギャンブル依存症者を生み出すのがパチンコ業界といえます。
そして、この社会問題であるギャンブル依存症について、パチンコ業界が行ったギャンブル依存症対策は「パチンコは適度に楽しむ遊びです」という掲示だけです。
これに効果があるというエビデンスはあるのでしょうか…
まずは、メーカーをはじめパチンコ業界に携わる方々は、ギャンブル依存症回復施設や専門病院などを視察し、苦しむ人々の声を聴くことを常識的ならばすると思えてなりません。
コメント