(株)テクノ大徳(大阪府堺市堺区)は5月9日、大阪地裁堺支部より破産開始決定を受けた。
破産管財人には小林功武弁護士(小林功武法律事務所、大阪市北区西天満4-2-2)が選任された。
負債総額は約34億円(2022年7月期決算時点)。パチンコ店「エムズ本店&プレミアムライト店」の経営を主体に、ダイニングレストラン「DDS/デリシャスダイニング」および日本料理店・韓国料理店「咲蔵堺東本店」も併営し、ピーク時の2014年7月期には売上高約59億900万円を計上していた。
しかし、近年は同業他社との競合激化に加え、改正風営法に基づく出玉規制や受動喫煙防止法等の影響を受けたパチンコ・パチスロ競技人口の減少などから業況が悪化。さらに「新型コロナウイルス」感染拡大の影響により店舗の休業や時短営業を余儀なくされ、2022年7月期には売上高が約21億1400万円にまで減少した。
過去に行った大型店舗改装や機器の入替、台風被害等の費用などが嵩み、借入依存度の高い状態にあったことから、取引行に対し借入返済のリスケジュールを要請するなどして資金繰りを維持していた。しかし、先行き業況の改善見通しも立たないことから5月8日付で店舗を閉店し、今回の措置となった。※(株)テクノ大徳(TSR企業コード:710346387、法人番号:1120101028241、堺市堺区中瓦町2-3-22、登記上:同市西区浜寺石津町中1-9-12、設立1993(平成5)年11月、資本金300万円)
東京商工リサーチ
株式会社テクノ大徳が運営していたパチンコホール
- プレミアムスロットエムズ水道橋店(東京都千代田区三崎町3-8-1 西田ビル)
- エムズ本店&プレミアムライト(大阪府堺市堺区中瓦町2-3-22テクノ大徳ビル1F)
- パッシモ21 石津店(大阪府堺市西区浜寺石津町中1-9-12)
- エムズ+エイト 枚方店(大阪府枚方市春日元町2-49-1)
- プレミアムスロットエムズ尼崎店(兵庫県尼崎市神田中通3-59)
2007年に1,450万人いたパチンコ・パチスロユーザーは現在720万人に半減しており、パチンコ業界の売上高も2007年の30兆2000億から14兆6000億へと激減しています。
ユーザー離れが進んだのは「節度を超えてしまった」からであり、遊びの範疇では収まらないギャンブル化によるものだと思えてなりません。
ユーザーが経済的にも付いて行けず、遊びの金額で楽しむ体感ができない仕様のパチンコ台・パチスロ台が溢れ返ったからなのでしょう。
それを裏付けるからのように、パチンコ・パチスロによって経済破綻した人が多くなり、またギャンブル依存症が社会問題となって、2018年からはギャンブル依存症対策基本法が施行され、2020年からはギャンブル依存症が公的保険の対象ともなりました。
2023年現在、全国のパチンコホールが閉店や休業を選択しており、今後もパチンコ業界は衰退の一途を辿ることになると思われます。
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