2023年12月16日、読売新聞オンラインの報道です。
奈良県警生駒署などは14日、住居不定、無職の男(25)を詐欺容疑で緊急逮捕した。容疑を認めているという。
発表では、男は13日昼、仲間と共謀し、生駒市内の80歳代女性に電話で「保険金の還付金を口座振り込みで受け取るために、手持ちのキャッシュカードを交換する必要がある」と告げて自宅を訪れ、カード2枚と印鑑などをだまし取った疑い。
署によると、女性の親族から被害届が出され、その後、近鉄生駒駅近くのコンビニエンスストアで、ATMから出金する男の姿を防犯カメラで確認。その映像を記憶していた非番の署員が14日昼過ぎ、奈良市内のパチンコ店で、隣席に座った男の特徴を見て署に連絡。緊急逮捕につながったという。
読売新聞オンライン
報道をみると、容疑者はいわゆる受け子と出し子の両方を実行していたことがわかります。
また、「仲間と共謀し」とされていますので、闇組織からの指示ではなく、計画実行にまで及んだとも捉えられます。
闇組織から「捕まっても組織のことは言うな」と脅さていて、弱みを握られているから、そう供述しているだけなのか、それとも、本当に特殊詐欺を見様見真似で計画実行したのか…
本来、闇組織が計画する特殊詐欺では「受け子」と「出し子」は役割が分担されると言われています。
仮に、本事件が闇組織の計画であり、容疑者が「出し子」だけを実行していたとするならば、容疑者が全ての罪を被り、主犯と受け子は逃げ延びることになります。
つまり、容疑者の罪は大きくなると同時に、トカゲのしっぽ切りにあったことになります。
容疑者はなぜ、特殊詐欺という犯罪に手を染めてまで金銭が欲しかったのでしょうか。
それは逮捕された場所である、パチンコ店に深く関係していると推測します。
容疑者はパチンコにのめり込み無職になっていたのか、あるいは、無職だったからパチンコで稼ごうと思っていたのか、その理由は分かりませんが、いずれにしても経済的には余裕がなかったことが分かります。
パチンコ代が欲しいがため、その動機で特殊詐欺を行ったとしたならば、容疑者もまた、ギャンブル依存症を患っている可能性が考えられます。
ギャンブル依存症と犯罪は密接に関連している、とはギャンブル依存症対策基本法にあるとおりです。
国内には320万人のギャンブル依存症者がいるわけであり、この病気に追い詰められたギャンブル依存症者たちが、本事件のような特殊詐欺に手を出してしまうことは十分あり得るのです。
容疑者は25歳とこの先大きな可能性があった年齢です。
この犯罪に手を染めてしまったことのビハインドと、ギャンブル依存症に罹患しているのであれば、これからの人生はとても辛いことになると思います。
パチンコ・パチスロによる負の遺産は、負の連鎖を生み出し続けているといえます。
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