2023年2月13日、南日本新聞社の報道です。
薩摩川内署は13日、詐欺の疑いで、鹿児島市千日町、飲食店従業員の男(25)を逮捕した。
逮捕容疑は、2022年12月20日午後0時45分ごろ、薩摩川内市のパチンコ店で、店員が誤って差し出した景品78点(時価約36万円)を受け取り、だまし取った疑い。
同署によると、他の利用者がためていた出玉分を店員が景品に交換してしまった。「店員が渡したからもらった」と供述している。
南日本新聞社
これが「詐欺」にあたるのか…と驚く事件です。
確かに、身に覚えのない特殊景品の多さから、容疑者も間違いに気づいていた可能性はあります。
ですが、金の高騰などから特殊景品の価格も変化している地域もあるわけであり、万が一容疑者が「初めての景品交換」であったなら「こういうものか…」と誤認する可能性もあるわけです。
何よりも、この事件では「店員の間違い」が起因としてあります。
これを詐欺罪にするには少々可哀そうではないかと思ってしまいます。
人間誰しもが「魔が差す」ことがあるのではないでしょうか。
その「魔が差す瞬間」に打ち勝つために、正しい教育や倫理観を養うわけですが、社会全体としても人間に過ちを犯させないように配慮していく事が肝要だと思います。
以前、役場から1000万円が誤送金されて返金しなかった人が逮捕された事件もありましたが、あれも当事者どちらもが気の毒だなと感じました。
誤送金してしまった職員も、そして受け取ってしまった人どちらもです。
人間は弱い部分を持ち合わせている事は言うまでもなく、善意に任せる部分と悪意を起こさせない部分のバランスが日本の良さであると私は思うのです。
この事件については、悪意を起こさせてしまったパチンコ店側のミスであり、警察によって逮捕するのではなく、パチンコ店側が罪を犯させないという配慮にたって、誠意をもって容疑者に話をすればよかったのではないでしょうか。
この報道だけでは全容がわかりませんが、容疑者が会員カードなどを作っていなかった場合、身元や連絡先なども不明であった可能性もあります。
そうなれば連絡を取る手段もなかったことも理解できます。
しかし、警察に通報してまで捜索する必要があったのでしょうか。
少なくともパチンコ店側が景品交換のミスをしなければ、この事象は起きなかったわけです。
金銭を扱う業種ならば、「お釣りを多く渡してしまった」「多く送金してしまった」などは稀に起こることでしょう。しかし、わざわざ警察に通報して詐欺の容疑で逮捕して報道されるなど、未だかつて聞いたことがありません。
パチンコというものがまた一つ笑いものにされる事象だと受け止めています。
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